1月末に寒い時期の茶懐石をやりました。
ちょうど夜咄や大炉の茶事に役に立てばいいなぁと思いまして…。
寒い時期の献立というのはとても難しいですね。みんな温かく出してあげたいのにあっという間にさめてしまう…。それが5人10人という稽古茶事だと全部冷え切って、それを食べるのはかなり拷問です。
というわけで、私は人数が多いときは温向にはしないことが多いです。で、せめて汁だけでもさめにくい具沢山の
粕汁などを持ってきます。真っ白に仕上がった汁は雪景色さえ思わせとても美しいということもあります。
雪景色というところでは、
向付けに脂が適度に乗った鮪を持ってきて、山芋のたたきなどをかけますときれいですね。夜ばなしなどの暗い室内でも映えるかと思います。器は深めの絵唐津を使ってみました。

画像はやはり海苔が湿気てしまってますね。どうぞ出す直前にぱらぱらとしてください。
余談ですが、昼席ではバチを使い、夜はちょっと中トロから大トロに近い大人の身を使ったりします。昔交感神経と副交感神経の食欲との関係の話を聞いてそれからです。
この話はまたゆっくりと自分の考察を交えてどこかで書きたいと思います。
煮物椀は蕪蒸しに。椀は松喰鶴の柄です。陶器を使っていただいてもいいかと思います。その場合は茶たくを使うと折敷にあとが残りません。

甘鯛で作ることが多いですが、とてもよいものをお世話になっている割烹から横流ししていただいたので(笑)、金目にしました。銀杏、きくらげ、百合根と定番の具も入っております。

おちゃめでかわいい顔だったのでおろすまえに写メしてしまいました。
焼きものは鰤照り焼き。すべてはらみにしています。漬けるときはたれではなくて醤油ですよー。

焼きあがったらたれをつけては乾かしを2回ほどいたします。添えはなくてもいいのですが、そこはかとない春の予感のようなものを意識して、菜花のおひたしを。
びしゃになって魚が湿らないように気をつけて盛ってください。
炊き合わせは海老芋。きっちり六方にむきます。とぎ汁で蒸すのは手間ですがきれいに仕上がるのでがんばってやりましょう。なかなか大きい海老芋は手に入りにくいでしょうから、ご家庭ではサトイモでもいいかと思います。

和全の鉢に鶏のじぶと春菊を添えました。
同じ器で翌日は人数が多かったので和え物を盛りました。
ずいぶんと器で印象が違うのがわかるでしょうか。いろいろご自分で工夫なさってください。
和え物は蟹と芹です。生姜酢がポイントです。必ず軽く火を入れてつんとした酢の刺激を和らげましょう。また生姜汁はさめてから入れてくださいね。
小吸い物は煎り松の実。
八寸はからすみとちしゃとうの味噌漬けでした。

ちしゃとうがよく使われるのは、退色しにくいからです。高級御節にもよく入っていますね。

実物はこんな姿です。かなり下のほうは固かったりしますので、簡単に手に入るものではないですから、予備の分も考えての購入が肝心です。むかし足りなくなって半分にして使ったことがありました。懐かしいとやっと思えるようになりましたが、こういうしくじりは即次のお仕事がなくなるということ以上に、ご亭主に恥をかかせてしまうのです。
八寸後は、
湯桶、漬物で懐石は終了。
各自作った
練りきり「椿」を召し上がっていただき、濃茶・薄茶と立てさせていただきました。
お茶は
濃茶が上林の早摘昔で薄茶が江雲の白です。お口に合いましたでしょうか。
お酒はすっきり辛口の
「鳩正宗八甲田おろし大吟醸」とうまくちの「町田酒造さんの新酒」にしました。
うっかり撮影前に町田酒造さんの瓶を捨ててしまったので、1年前の新酒で撮りました。現在我が家の冷蔵庫で着々と熟成中です。
次回は連休前に初風炉の献立をやります。

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