2010/6/3

三昧境8  三昧境

三昧境8

ひまわりや手打ちうどんを奢りとす
紫陽花のむつけき虫憎みけり
扇面に俳画乞われぬ句座の果て
短夜の大戸下せし老舗かな
かたわれの野茨朝な出勤す
昼厠児に伽き(とき)睡魔遂に来る
稲妻や閃き交はすふたどころ
持ち出づる月大杉の秀に得たり
稲妻に雨戸の穴を見つけたり
大の蛇児がなぶり居りひでり道
読みさしの花屋日記や芭蕉の忌
くずの花たそがれ永き杣の宿
農休のて手打ちうどんや蝉の昼
野周りのくわえ煙草や稲の出来
寝そびれて虫滋ければ人恋し
正座疲れに起ちて月を得たり
蜩や屋根にタールを刷き急ぐ
秋晴れの丘に建つ家見て過ぐる
虫の声いつしか灰に書き居たり
芋掘りの腰伸す電車また通る
障子操ればコスモスに置き郵便夫
花屋日記桃青の忌の机(をしょうき)

        以上昭和26年
タグ: 俳句



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