御即位20年記念 特別展<皇室の名宝−日本美の華> 2期:11/12〜11/29
土曜日なので、混雑は覚悟していましたが、展示室へ入るところまでは問題なし。天候の関係もあるでしょうが、土曜日でも午後1時過ぎくらいなら、比較的入りやすいようです。
まず、1階企画展示室から
明治時代に模造製作された正倉院宝物では、
<螺鈿紫檀五絃琵琶> 裏面が見えないのが残念。写真はありましたが、鏡を置くとか工夫できないかしら。
<螺鈿槽箜篌> 残欠から復元した箜篌(くご)というハープ。
復元楽器は昔、劉宏軍率いる天平楽府のコンサートで見たことありますが、あれは、いつどこで作られたのかな?
象牙、鹿角で装飾された<木画紫檀双六局>は、昭和7年。
真新しく美しい輝きを放つ「春日権現験記絵」の表紙裂(見本)は、平成18年の制作。これには、皇居内紅葉山御養蚕所で、皇后さま自ら飼育されている天蚕の繭(まゆ)からとれた糸を使っているということで、養蚕所内の写真も展示。
「春日権現験記絵」などの復元作業については、隣のビデオコーナーで工程の一部が見られます。
「春日権現験記絵」の本格修理にあたり、皇后陛下がお育ての小石丸の糸を頂戴し、鎌倉時代の裂である表紙裂・萌黄地藤立涌文と、付属の目録にわずかに残っていた萌黄地格子文の巻紐を忠実に復元した。(展示解説より)
では、2階
石器とか銅鏡は、軽く流して、というか、ここと、「春日権現験記絵」が特に混んでいました。
まずは、法隆寺と正倉院。
奈良時代に描かれた<聖徳太子像>と、聖徳太子筆<法華義疏>は、ともに法隆寺献納宝物にして
御物。
王羲之の手紙を模写したという<喪乱帖>(三の丸尚蔵館)
正倉院宝物では、
<赤漆文欟木御厨子>の手前に置いてあったのは、かんぬき?
<杜家立成>は、光明皇后筆の往復書簡文例集。正倉院展では、「楽毅論」の臨書が話題になっていたので、光明皇后筆が見られるとは、嬉しい。
<螺鈿紫檀阮咸>阮咸(げんかん)というバンジョーのような楽器。捍撥(かんばち:ばち受け)に皮を貼り、背面は琥珀、タイマイなど。
<紅牙撥鏤尺>(こうげばちるのしゃく)<緑牙撥鏤尺>、実際は緑でなく紺
<屏風花氈等帳>は、宝物追納の目録
次は、平安〜鎌倉時代の書と絵巻
2点だけ
御物
それは、金銀泥下絵料紙の伝・紀貫之<桂宮本万葉集>。伝・橘逸勢<伊都内親王願文>の、大人にしては小さい朱の手形は、願主・伊都内親王の手形、寺院への願文に手形は、何の意味でしょう?
ほかは、三の丸尚蔵館所蔵。昨年の「陽明文庫」の時に見たものも何点か。
伝・頼寿<小野道風像>三跡の一人、道風をこんなじぃさんに描いちゃっていいの?
その道風が、様々な書体を自在に使い、白氏文集の詩を書いた、<玉泉帖>
雲母摺り料紙に書かれた伝・小野道風<本阿弥切本古今和歌集>は、異なる書風
雲母の唐紙料紙が美しい、伝・藤原行成<粘葉本和漢朗詠集>、伝・藤原公任<大色紙>
伝・紀貫之<堤中納言集断簡(名家家集切)>は、藍・紫二色の飛雲料紙
伝・藤原行成<雲紙本和漢朗詠集>は、雲形を斜め対角に配す、斬新な料紙
伝・藤原行成<大江切本古今和歌集>は、楮紙に雲母砂子
伝・源俊頼<安宅切本和漢朗詠集>は、金銀泥切箔砂子撒き
西行が、藤原俊成に宛てて「定家が宮河歌合の判を送ってこない」と催促している<書状>
絵・高階隆兼、詞書・鷹司基忠父子<春日権現験記絵>全二十巻のうち、巻一の巻頭、巻五全編、巻十九の巻末。階下のビデオコーナーで修復作業を見ましたが、よく見ると、傷み、剥落が多いですね。若杉準治『美術館へ行こう 絵巻を読み解く』(新潮社、1998年)に、巻五・十九の一部の図版と解説あり。
鳥羽院から始まる、藤原為信・豪信<天子摂関御影>は、平成20年度修復品。
次の「宸翰と京都御所のしつらえ」と題されたコーナーは、鎌倉〜江戸時代の宸翰(しんかん:天皇自筆の書)と屏風などの工芸品。
御物、
伏見天皇<伏見院御集(広沢切)>、表装裂が面白い。
光厳天皇<十五番歌合>、料紙は、雲母で文様、金銀砂子で霞引き。
後水尾天皇<御消息>、余白を活かした書風。女房奉書という様式だそうです。
書陵部図書課から、
伏見天皇<伏見院御集(広沢切)>、紙背は、具注暦。
花園天皇<花園院宸記>、花園天皇在位中の日記。
崇光天皇<啄木調>、琵琶の秘曲の譜。
三の丸尚蔵館から、
藤原定家晩年の写本<更級日記>。この後、見に行く「冷泉家展」が頭の中でチラつく。
藤原為家<葛城山消息>。紙背。
御物
<源氏物語図貝桶・合貝>
<御即位行幸図屏風>(六曲一双、江戸時代)右隻・明正天皇即位式、左隻・移徒行列、明正天皇は、江戸・寛永年間の女帝、在位中は父・後水尾上皇が院政を行っていた。
狩野永納<寛永行幸図巻>(三巻のうち巻下、寛文7年(1667))後水尾天皇、二条城行幸の様子を41年後に描かせたという。後水尾天皇の第十六皇子、霊元天皇が在位中。先の明正天皇即位の屏風といい、後水尾上皇が何らかの意図をもって作らせたのでしょうね。
三の丸尚蔵館から、
飯塚桃葉<宇治川蛍蒔絵料紙硯箱>(安永4年(1775))側面にいたるまで、無数の蛍が飛び交っている様を表現しているのでしょうが、蛍が黒いので、ハエがびっしりたかっているように見えてしまう。
俵屋宗達<扇面散屏風>(八曲一双)平成8年度修復。
狩野探幽<井手玉川・大井川図屏風>(六曲一双)山吹の名所、井手玉川の春の景、紅葉の名所、嵐山大井川の秋の景。
狩野常信<糸桜図屏風>(六曲一双)左隻右隻とも中四扇に簾をはめ込んだ屏風。屏風の面に描かれた桜の幹から伸びた枝が、簾の部分にしだれてきて、簾に花が描かれているのか、簾越しに外の桜を覗いているのか、絵画と現実の間に入り込んだような、江戸琳派の描表装に似た味わいが嬉しい。京の雅には、枝垂桜が似合うと思う。
狩野永岳<散手・貴徳図衝立> 衝立の両面に描かれている、舞楽の散手(さんじゅ)と貴徳(きとく)は、2つ一組で演じられる番舞(つがいまい)。赤を基調とした散手は、桜の花の下、緑を基調として貴徳は、青葉の下で舞っている。
参照サイト
東京国立博物館 東京国立博物館ニュース
東京国立博物館ニュース697号に同展の記事が載っています。
メモ: 最寄り駅 JR上野駅公園口、JR鶯谷駅、メトロ銀座線・日比谷線上野駅
料金 1300円
滞在時間 約2時間(平成館のみ)

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