キグルミというアイテムは、即席のアイドルを生み出す。
小さな子供や女性に人気のアイドルを一瞬で生み出す。
愛らしいしぐさとまぬけな笑顔。
それらはついつい「カワイイ」と言いたくなるものだろう。
キグルミが舞台に出れば、子供たちに取り囲まれて、つつかれる。
キグルミが舞台に立てば、女性に取り囲まれて写真パシャパシャ。
たくさんの人に囲まれて、満面の笑みをたたえているけれど、
それはきっと孤独でもある。
キグルミは言葉を話さない。
視界はわずか。
聴覚もおぼろ。
意思を伝えられるのは、わずかな身振り手振りだけ。
人に囲まれ、愛されているのに孤独なのだと思う。
でも、必死になって抱きついてくる子供もいる。
見えないし、何も伝えられないけど、なんか嬉しい。
ひょっとしたら孤独ではないのかもと思えてくる。
そう考えると、孤独とは触覚で感じるものなのかもしれないと思う。
即席アイドルの孤独は小さな子供の必死な抱擁で癒される。
俺はそう思ったよ。