昨夜のことです。家に帰り着くと妻がバタバタやっております。
「どうした?」と聞くと、「あ、おとうさん、お帰り。あのさぁ、
から揚げを知らない?」ワシは意味がさっぱり分からず「はぁー?
から揚げ?、俺は今帰って来たばかりで、意味が分からんぞ」と言い、
「から揚げが無いのか?」と確認します。
「うん、パート先でから揚げを買って、たしか、この辺に置いたのに、
無くなっているのよ」
「無くなるわけ無いだろうが。パート先に置き忘れじゃあ、ないか?」と言いますと、
「えーー!たしか、パート先の冷蔵庫に入れて・・・、仕事が終わってから、
車に積んで・・・・? あ!、車にまだ積んだままかもしれない。見てくるねぇ」と
妻は駐車場に飛んで行きます。でも直ぐに帰って来て、
「車にも無かったよ。えーー、ひょっとするとパート先の駐車場に置きっぱなし、
かもしれない。荷物が多かったので、車のドアーを開けるときにたしか、一旦
下に置いたのよ、それをうっかりそのままで帰って来たかもしれない。
あーー、どうしよう!」
「客用の駐車場に置忘れではもう無くなっているよ。諦めんか」
ワシがそう言いますと、「あのねぇ、から揚げだけではなくて、味噌や
納豆や、明日の弁当おかずの惣菜やら、結構たくさんなのよ」
ワシは話を打ち切って服を着替え始めます。すると妻は
「おとうさん、私はパート先までもう一回行って来るから」と外出着に
着替えはじめます。
「もう、諦めんか」と言いますが、妻は聞きません。
ワシは「では、気をつけて行けよ」と言いました。
「おとうさん、あのさぁ、一緒に行かない?ついでに灯油も買いに行くから
持ってほしいんだけど」
で、已む無くワシも再び着替えて出かけました。
妻のパート先までは車で約30分かかります。着くまでの間に妻は
「あーー、自分がいやになるなぁ。買ったものを何処に置いたかも忘れる
なんてぇ!」
「パート先の冷蔵庫から取り出しのは間違いが無いのか?」
「うん、絶対に間違いはないよ。冷蔵庫から出して、駐車場の車の所までは
持って行った記憶があるもの」
「だったら、やっぱり客用の駐車場だな。多分、誰かが持ち去って、もう
無い可能性が大きいぞ。それか、親切なひとがいて、店の届けてくれていれば
いいけど・・・」
とにかくは行くしかないのです。
やっとお店に着いて、客用の駐車場を見渡しますが、駐車の車以外に何も
見当たりません。妻は「とにかく、冷蔵庫を見てくるね」と駆け出します。
「え?、冷蔵庫からは絶対に出した、のじゃぁ、無いのか?」
しばらくして、大きな買い物袋を提げた妻が照れ笑いでやって来ました。
「あのねぇ、冷蔵庫の中にあった。すべて私の勘違いだったよ。でも、あって、
よかったぁ」
ワシは帰りの車ではしゃべる気もうせて、逆に妻はくだらんことを上機嫌で
しゃべりまくっておりました。
ことの発端は「から揚げは、どこ?」からのスタートでした。

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