そうして、舞香は行ってしまった。
見送りの駅では、今生の別れみたいに、何度も何度もぎゅう、と抱き合ったり、痛くなるまで手を振って、鼻水をだらだら流してないたりもしたけれど。
でも――こんな言い方は、いかにも子供っぽいけれど、なんと言うか……
「大親友が、そばにいなくなっても、人間って生きていけるものだなあ」
と、思う。
言葉にするとうすっぺらい感じだし、こんなことで生きるとか生きないとか、そんな大袈裟な言い方をしなくてもいいのかもしれない。でも、私は、まだ、十分にコドモで、友達や、バンドのことが、私の日々の生活の80パーセント、90パーセントを占めているのだ。舞香は親友でもあり、バンドのパートナーでもあったから、つまり、私の生活の時間や、意識の8割ほどは、なにかしら、舞香との関わりの中で費やされていたと言える。そんな存在が、すっぽりとある日、自分の日々から消えてしまったら、それは、精神上の死活問題だと、私は思うのだ。
でも、私は、今までとおんなじように、生きてる。
案外、やれるものだなあ、と、自分に感心してみたりする。
50*に続く。

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