2008/3/27
待ちわびた季節がやってきた
今年の桜は悲しくない
ぼんやり川面に映る桜
すっきり青空に映える桜
まぶしく夕日に輝く桜
西の空から届く黄金色の光が
薄いピンクの花びらを通り抜け
私の心の深い記憶に辿り着く
幾度も涙の匂いと混じり
切なく滲んだ桜の香り
散り逝く花びらに魔法をかけて
瞬間を止めてしまいたかった
今年の桜は苦しくない
フラワーシャワーのように
花びらがキラキラと瞬きながら
私のからだと想いを包み込む
桜をすり抜けた光が射し込み
しっとりグラスに揺れる赤ワインの
小さな世界が虹色に変わった
橋から見下ろす川面には
涙の粒のかたちをした
花びらたちが
ゆっくり彼方へ流れていく
橋から見上げる青空には
希望と勇気がつまった
緑の新芽たちが
恥ずかしそうに上を向いて顔を出す
桜の下を一人で歩いても
切なく悲しい涙は流れない
だって
また未来になれば
桜の季節はやってくるから
でもね
ほんのり提灯に照らされた
宵の桜はまだ見てないの
優しい眠りの夢の中で
貴方と寄り添い見るために

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