
水原とほる(絵 高緒拾)/笠倉出版社(2006・11月)
【あらすじ】ジュエリーデザイナーの香津美の楽しみは、週末にクラブで談笑すること。美麗で華奢な容貌の香津美は、いつも3人の男達に口説かれていたが、過去のトラウマと体の秘密を持っていたため、誰とも深く関わらないようにしていた。そんな香津美が密かに憧れていたのは、年上の相場師・北条だった。ところが、焦れた3人は香津美を罠に陥れ、襲いかかってきた。そこに、呼び出された北条が現れて!?
『潤滑剤』が少なすぎると、粘膜が引きつるような痛みがあって、多すぎると出し入れの時に淫猥な音がして羞恥心を煽るそうです。
…すごい出だしです…私(笑)
そんなことはさておき、
水原さんは、どんなレーベルに行ってもやっぱり水原さんでした(笑)
(というか、初出は『ピアス』なんですよね…笑)
今回も、『青水無月』に引き続き、攻め様以外の第三者による
『輪姦シーン』がございます。
わたくし、いくら鬼畜スキーとは申しましても、やはり第三者による輪姦シーンというのはどうにも読んでいてツライものがございますの。
読んでいて、一度だけ背筋にゾクっとした寒気が到来いたしましたわ。
【水原属性】である
暴力
もきちんとトッピングされていましたわ。(追加料金なしですの)
頬を平手や拳で連打。
フォークでぶっ刺す。
「お姉様、耐えて!耐えて下さいませね!」
この輪姦シーン、数えてみましたら24ページもありましたわ。
ええ、暇人です(爆)
香津美は過去のトラウマと身体のある秘密から、誰とも深く関係を持つことができないでいました。
そんな彼の楽しみは、ゲイの集まるクラブでの仲間内での談笑。
大学院生の年下・一樹、舞台照明の仕事をしている小田切、外資系医薬品メーカーに勤めている坂本が、香津美の仲間であり、いつも口説いてくるメンバーでした。
でも、誰とも深い関係になるつもりのない香津美は、いつも誘いを軽く断っていて。
実は香津美は、同じくクラブによく来る相場師の北条のことが好きだったんですが、北条は他の行きずりの男には優しく接するのに、自分には誘いをかけてこず、時折嫌味や冷めた目線を投げかけてくるので、素直に自分の気持ちを表せないでいました。
そして、焦れた3人の男による輪姦。
この輪姦、ただの輪姦だけではなくて、
香津美が必死に隠している身体のある秘密を暴かれると言う、自分のコンプレックスを容赦なくえぐられる痛みを伴う壮絶なものでした。
そこへ呼び出されてやってくる北条。
いつもは香津美に対してクールなのに、怒りも露わに助け出してくれます。
うぅ〜〜ん、ここからの展開がちょっとあっさりとした感じでした。
香津美の身体の秘密(それは題名にも表されているんですが)を北条が受け入れ、北条のトラウマを香津美にさらし、実は以前からお互いのことが好きだった2人は結ばれます。
お互いの痛み、コンプレックス、過去を、お互いにさらけ出し、理解しあう2人。
実にあっさりとした展開で、第一話は終ります。
…が!!!
私が驚愕したのは書下ろしである
『傷痕』です!
何がすごいかって、輪姦した一人である一樹が香津美の元を訪れ、
「自分は好きな相手にもサディスティックに振舞ってしまう!」と悩みを相談しちゃいます。
以前は“金で買った相手だから”平気で傷つけられると思っていたのに、想いを寄せていた香津美でさえ平気で傷つけてしまった自分が怖い…と。
今後も、好きな相手を傷つけ続けるんじゃないかと。
っていうか、
「あなた一体どんな神経してるのよ!?」って感じです。
しかも、あろうことか、お人よしなのかバカなのか、香津美は彼の相談に乗ってあげます。
いや、ここまでだったらまだよかったんですが、ここから北条も巻き込んだ、
『一樹の悩み解消大作戦』にぶったまげます!
北条と香津美の選んだ方法に、驚愕しない人はいないでしょう(笑)
今回読み進めていくうちに微妙に感じていた違和感…その要因は水原さんのあとがきで認識することとなりました。
『攻め様が優しい』ということです。
これまで、【会っていきなり肋骨折って強姦しちゃうヤクザ】【実の兄を強姦するわボコるわ輪姦させるわな弟】【やたら殴るパトロン】な攻め様を見てきて、そういう攻め様をこよなく愛していた私は、今回微妙な違和感を覚えたわけです。
水原さんと高緒さんは最強タッグだと思います。
今回もイラストは素敵でした


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