「『ひそやかな情熱』『情熱のゆくえ』『情熱の飛沫』『情熱の結晶』」
BL小説 タ行




遠野春日(絵 円陣闇丸)/ムービック(01・5月、02・4月、04・5月、05・1月)




【あらすじ】『ひそやか』…ヤクザの親分に囲われていた美貌の青年佳人は、親分の逆鱗に触れて折檻され、捨てられるはずの所を青年実業家の遙に拾われる。傲慢で残酷な遙だが、冷たい態度に隠された優しさと孤独に触れ、佳人は次第に惹かれていき…。
『ゆくえ』…不器用ながらもお互いを想いあう遙と佳人。まだ2人で暮らすことに戸惑いつつも幸福なある日、無人島へのビデオ撮影に同行した遙が音信不通に…。遙を助ける為、佳人は身を切る思いで前に囲われていたやくざの親分のもとへ行くが…。
『飛沫』…佳人はかつての級友・赤坂と偶然出会う。麻薬取締官となっていた赤坂は、昔から佳人をライバル視しており散々嫌味を言う。その場はそれで別れたが、東原を交えた香西の船でのクルージングの日、身分を偽った赤坂と再会し…。
『結晶』…遙に誘われ高千穂まで足を伸ばし、幸せな週末を過ごした2人。しかし、子供を助けようとした遙の上に材木が落下し、一命は取り留めたものの、遙は記憶喪失になり、佳人との日々を忘れてしまい…。
よいお話でした。物語全体がしっとりとした雰囲気で、読んでいると主人公達の心の情景が胸に染み渡るようです。
…が、これを読んだ時、私は心身共に疲れ果て、どん底状態にあったので、痛いのなんのって!(汗)もう、読み進めるたびに痛い痛い。つらいし苦しいし切ない!おそらく私がまともな状態ならここまでにはなりませんでしたが、あまりにも切ないので凹みながら1〜3巻まで一気読み。4巻を購入済みであれば最後まで読んでいたと思います。
…で、なにがそこまで私の
【痛みポイント】を刺激したのか?と冷静に分析してみました。
@主人公カップルの攻ではないオヤジに、受が囲われるのはツライ。
この設定は私の鬼門であることが判明しました。同様の理由で、英田さんの『さよならを言う気はない』は、私に【痛い作品】認定されております(笑)この組長のおやじに佳人がされた色々なことを、事細かに描写されていたら最後まで読めなかったかもしれません。あまりに憐れで…。まぁ、若干描写があるんですが、そこは何とか耐えました。
Aあろうことか、そのおやじに折檻されるシーンが冒頭にある。
厳密に言えば組長自ら手を下したわけではありませんが、もう可哀想すぎて泣きそう。
「叩いた縄が血に染まる」のを想像しただけでギャー!!です。
B遙の最初らへんの態度、「俺はお前をどうとでもできるんだぞ」が痛かった。
佳人は、高校生の時から借金の形として、好きでもない組長のおやじの愛人になっていたわけで、その組長から遙へ譲渡されたのも、きちんとした金銭がからんでいるので、佳人としてはものすごく気を遣うわけですよ。
【愛人】って言えば聞こえはいいけど、実際に佳人が受けていた仕打ちは、性的な部分に関しては、女性の愛人が受ける仕打ち以上のものを要求されていたわけで、どちらかと言えば
【性奴隷】に近いものだったと思います。(性的な部分以外に関してはむしろ優遇されていたんですが)そんな佳人は、遙にもそのように奉仕しなければならないと思うわけで。。。でも、遙は、自分が組長と同じような人間だと思われたくない…との理由から、佳人にはなかなか手を出さなかったんですが。
遙は、佳人に家政夫を言いつけたり、仕事を与えてみたり、自分の好き勝手に佳人の人生を操るんですが、これってけっこうキツイなぁと思います。人間が人間を
「どうにでもできる」っていうのはキツイ状況だと思います。佳人は、高校生の時から、組長によって
「酷いセックスを強いられようが組の手下達に何をされようが売られようが一切の文句は言えない立場」であったわけで、そんな彼はもとより遙の言いなりになるしかないのに、遙はその
「何を強要されても文句は言えない立場」をさらに佳人に認識させようとするわけです。
遙は佳人を、佳人は遙を好きになっていくわけですが、
【対等な立場ではない恋愛】というのは、うまくいっている時はいいですが、何か障害が起こった時は厳しい状態になる…と、4巻でわかります(笑)
不器用な2人が少しずつ距離を縮めていく描写、丁寧な心理描写、脇役達の優しさなど、魅力も満載の素晴らしい作品ですが、今のところ1巻はつら過ぎて読み返す事ができず、プチ封印中(笑)

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