
水原とほる(絵 水名瀬雅良)/海王社(2006・11月)
【あらすじ】平凡なサラリーマン・和彦は、ある夜路上で喧嘩をしていた同級生の赤澤に再会する。和彦の初恋だった赤澤は暴力団の構成員となっていた。冷たいそぶりだった赤澤だが、何度もアプローチするうちに次第に友人関係を築き、気まぐれに抱かれたりもした。お互いの間に柔らかな時間さえ流れるようになった頃、和彦は赤澤を思いあえて裏切るような真似をした。しかし、それを知った赤澤による制裁がはじまり――。
『鬼畜スキー』『痛いのスキー』『サディストスキー』『水原さんの描く暴力の世界スキー』属性を持っている私ですが、正直申しまして、さすがに今回のにはびびりました

「『夏陰』が無理!」と思われる方には、冗談でもおすすめはできないです。
『夏陰』は「頑張って読んでみて♪」と言える場合がありますが、本作をおすすめするには相手の好みなどにかなり気を遣います…というか、気を遣うべきです。
水原先生、最近は輪姦がマイブームで?
しかも、ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!!!
○ネ○に○ィ○○って!!!(汗)(あまりにヤバイ単語なので、全力で伏字)
この単語って、普通の乙女は知ってるものなんでしょうか?
私は、腐女子になるまでこういった分野の言葉はほとんど知りませんでした。(腐に堕ちるまで、標準より初心だった自信アリ…笑)
『○ィ○○』は、樹生さんの作品ではじめて知って、どういう意味なのかわからず、ネットで調べて、
イスから転げ落ちるかと思ったくらい衝撃を受けた言葉です!
ほんと、そんなことが可能だとは思ってもみなかったです。
人体の不思議
です。
ヤクザになっていた赤澤に街で偶然再会した和彦は、昔と変わらず彼に想いをよせます。
高校時代にはすでに周りから恐れられていた赤澤に、一度告白してふられていても、彼の持つ雰囲気や孤独、真のところでの公平さや不器用な優しさ、それらに気づいていた和彦は、赤澤に冷たくあしらわれてもなんとか交流を持ちたいと行動します。
最初は頑なだった赤澤の態度も少しずつ打ち解けていき、やがて
『友人』といえる関係に。
そして、一度だけ酔った彼に抱かれて―――。
この物語の前半部分、私は本当に好みでした。
しっとりと滑らかに綴られる文章、和彦の赤澤に対する静かで、でも確実に深い情熱を含んだ愛情表現、二人の友人関係が少しずつ深まっていく描写など、胸に迫るものがあって、悲しいわけじゃないのにうるうるきて。
水原さんの持つこういう側面もほんと惹かれます。
…が、それが一変するのは、和彦が赤澤のためを思ってした裏切り。
その裏切りを知った赤澤がはじめる制裁―――。
今回の輪姦シーンは、
『青水無月』や
『アシメトリー』と比べても、はるかに激しくて痛くて辛くて悲しくて、いくら
『鬼畜スキー属性』を持っている私といえど、ほんとびびりました。
強姦も確かに暴力ですが、○ネ○は精神や人の尊厳に対する激しい暴力だし、○ィ○○は人の内側にダイレクトにいく暴力です。
つまり、
『性的暴力』『精神的暴力』『人体の内側に対する暴力』が、追加料金なしでもれなくすべてトッピングされて提供されます。
今回の輪姦シーン、数えてみたら27ページありました。
新記録達成です。
しかし、この暴力てんこ盛りハンバーガーを最後までちゃんと食べる事ができた人に与えられるもの・・・・・・。
それは、
愛
です。
大きくて広くて深い愛
です。
私は正直、あんな目にあわされた相手を、なぜそこまで深く愛し続けることができるんだろう?と思ったんですが、和彦の心理描写があまりに巧みで、思わず納得しちゃいました。
そして、和彦にそこまで深く愛される理由が赤澤にはあると、読者には伝わってくるのです。
今回の水原さんの文章は、ほんとよかったです。
ここまで激しいストーリーを、ちゃんとしたラブストーリーに昇華出来る水原さんはすごいと思います。
まさしく水原さんの真骨頂を見せてもらいました。
これからもついていきます!水原先生

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