「アメリカ政府は年次改革要望書で日本の庶民を殺す気か?」
政治経済
アメリカは日本の庶民を破産や自殺に追い込む気なのか!?
いきなり過激なことを言ってしまったが、これは決して冗談や誇張で言っているのではない。
年次改革要望書を通じて「貸金業の上限金利を事実上撤廃する」ように、アメリカは日本に要求したというのだ。もしこれが実現すれば、日本社会は想像するのも恐ろしい事態になる。何しろ、金を貸す側は、どんなに高い金利を設定してもいいということになるのだから。
本日(2006年4月13日)に放送されたNHK『クローズアップ現代』を視た。
今回は「金利をめぐる攻防」という題で、消費者金融の金利をどうするか、という問題を取り扱っていた。
本来ならば、貸金業の金利は、利息制限法によって、20%までと制限されている。出資法によって上限金利が29.2%とにまで引き上げられる場合もあるが、これは例外的措置であって、条件が厳しく定められている。ところが現状は、貸金業など金を貸す側が後者の措置を勝手に拡大解釈して、グレーゾーンと言われる20〜29.2%間の金利で貸し出しているという。弁護士などの法律の専門家によれば、本来なら例外的措置である20%超金利で貸し出すのは、ほとんどが法律上の条件を満たしていない、つまり違法な貸し出しであるという。そして、本来払うべき金額よりはるかに多い金を支払わされ、苦しんでいる債務者がたくさんいるという。
そのうち私は、愕然……というより慄然とせざるをえない場面に出くわした。
それが、アメリカが年次改革要望書を通じて「グレーゾーンを撤廃する」よう日本に要求してきた、と解説された場面だった。つまり、「事実上、上限金利を撤廃せよ」ということだ!
なお、闇金問題などで活躍しておられる弁護士・宇都宮健児氏が、日本に先んじて「規制緩和」で貸金業の上限金利撤廃を行った韓国の実状を視察されたという。そこには、恐るべき、そして予想どおりの惨状があった。200%という高利の業者も出現、自己破産や自殺が多発し、社会問題にまでなったという。……というより、
上限金利の撤廃などということをやれば、このような結果になることは明らかではないか! ちょっと考えればわかることではないか! それでもアメリカさんは、日本にそれをやらせようというのだろうか?
なお、今では多くの人に知られつつあるが、アメリカの出す年次改革要望書とは、日本に対して「こうしてください」とお願いするものでもなければ、「こうしたらいいと思いますよ」と提案するというものでもない。そんな生やさしいものでは決してない。
話題の書となった『拒否できない日本』(関岡英之著・文春文庫376)などで明らかにされてきたことだが、アメリカ政府やそれを動かしているアメリカの企業や利権集団が、自分たちの都合のいいように、日本の経済システムを変えるシステムのひとつである。その中には、日本の経済主権侵害の疑いがあるものも存在する。
小泉政権とその先輩たちがやってきた政策の多くは、実はこうした年次改革要望書などの形で突きつけられてくるアメリカの要求をそのまま実行に移すというものであった。それで、日本の国民経済や社会にいかに不利益が及ぼうとも。要するに、対米売国政治なのだ。
もう既に、日本の社会には非常な不利益が押しつけられ、それによる歪みも現れ始めてている。
例えば、1998年の東証に導入された時間外取引制度。これは、アメリカのハゲタカ外資に日本の資産を買い漁らせようと考えたアメリカが、年次改革要望書を通じて日本に押しつけたものだという。その結果起こったのが、あのライブドア事件であった。ライブドア堀江がフジテレビを買収しようとした時にも、時間外取引という手口を使ったのは有名な話だ。
アメリカの保険会社、製薬会社や医療サービス会社にビジネスチャンスを与えるために、WHO世界一と評価された日本の医療制度が、「改革」と称して今国会でぶち壊しにされようとしている。国民皆保険制度が潰され、アメリカから参入してきた保険会社は大儲け。医療費は高くなり、高額の保険に加入している金持ち以外は満足な医療を受けられなくなる。
「病気になったら、金持ち以外は死ね」と言っているように、私には聞こえる。
このことは、『拒否できない日本』の著者・関岡英之氏などの識者が懸念し、警告を発している(注:文芸春秋2005年12月号掲載『奪われる日本』より)。
……どうだろうか?
ここまで述べると、「貧しくなる」とか「生活が苦しくなる」などの生やさしいレベルではない。冗談や誇張でなく、真面目に「殺される」とか「生命まで脅かされる」というレベルにまでなっている、と私は思うのだが。
それでも日本人は「いざとなったらアメリカしか頼れないから、アメリカの要求には我慢して従うべき」というのだろうか? それでも、アメリカのいいなりに売国政策を続け、日本社会に重大な不利益をもたらした小泉政権を支持し続けるのだろうか?
しかし……政治・軍事だけでなく経済にまで強大な影響力を日本に及ぼし続けるアメリカ政府に、我々はどのように立ち向かったらいいのか?
私も模索中であるが、文芸春秋2005年12月号掲載『奪われる日本』で、関岡氏が結びに述べた言葉を引用したい。
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『年次改革要望書』は今年で十二冊目を数える。すでに十年以上の長きにわたって、既成事実を積み重ねてきた。たとえ来年、小泉総理が退陣したとしても、『年次改革要望書』とその受け皿である経済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進委員会が命脈を保つ限り、米国による日本改造は未来永劫進行する。それを阻止できるものがあるとすればそれは、草の根から澎湃と湧き起こり、燎原の火の如く広がる日本国民の声のみである。
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