昨日、
5月8日(木)から
福岡県福岡市の「JALリゾートシーホークホテル福岡」において
第66期名人戦第3局が行われた。
「森内俊之名人(1勝1敗)」VS「羽生善治二冠(1勝1敗)」
第2局は、
「羽生ワールド」全開の将棋となり
森内名人の良さが出ずに、終わってしまった。
流れを変えたい森内名人、このまま流れを加速したい羽生二冠。
互いに先手番を制してのこの第3局、心中期するところがあるだろう。
勝利への早道は、後手番をブレイクすること・・・これに尽きる。
森内名人の作戦は、相掛りから飛車を2八へ深く引き
銀を3六へ繰り出す、
引飛車棒銀とも
UFO銀とも呼ばれる流行の形。
攻め・守りのどちらの態度も明示せず、後手の出方次第で
変幻自在に指せる、自在性が好まれているようだ。
森内名人は、前局の大事なところで踏み込めなかった反省からか
本局は諸手を広げて
「やってこい!」と、大胆な指し手を見せた。
上図は森内名人が、
▲4五銀としたところだが
今度はこの手に対して、羽生二冠の方が臆してしまう。
通常、
△7三桂と跳ねてあれば、
△7五歩〜△9五歩〜△6五桂の攻めが
第一感である。
しかし羽生二冠は
△7五歩〜△3五歩と、局面を収めにいったのである。
これでは前局と同様に、流れは森内名人に傾く事になる。
控室が「投了間近」を公言するほど、森内名人圧倒的有利の中
羽生二冠だけは勝負を諦めず、虎視眈々と
「その時」を待っていた。
森内名人の持ち時間が切迫するにつれ、形勢は縮まっていき
そして、ついに
「その時」はやってきたのである。
羽生二冠の
△8九飛の王手に、森内名人は
▲8八銀打と守り
△7八歩の手裏剣に、
▲9八銀と飛車を殺しにいったところ。
しかし、これは次の一手を見落とした完全なる
「大ポカ」であった。
△8六桂!
5筋の飛車が生きてきて、王手銀取りとなっては万事休す。
まだ最善を尽くせば入玉は出来ただろうが、これでは戦意喪失も仕方あるまい。
最終的には下段で固まっていた金銀4枚が、根こそぎ取られてしまった。
午後9時39分、総手数164手。
この将棋を、どう表現したらいいのだろうか?
羽生二冠の粘り強さを讃えたらいいのか。
それとも、昨年の名人戦同様
森内名人には、魔物が取り憑いてしまったとでも云うのだろうか。
しかし昨年の例で云えば、森内名人は見事立ち直って防衛を果たしている。
そして羽生二冠としては、待望の後手番ブレイクであり
これで名人位奪取へ、一歩近づいたことになる。
注目の
第4局は、
5月20日(火)・21日(水)に
愛知県名古屋市の「ウェスティン・ナゴヤキャッスル」で行われる。