昨日、
4月22日(火)から
大阪府堺市の茶室「伸庵」において、
第66期名人戦第2局が行われた。
「羽生善治二冠(0勝1敗)」VS「森内俊之名人(1勝0敗)」
形勢の悪い将棋を耐えに耐え、ワンチャンスを素晴らしい瞬発力で物にした森内名人。
調子はあまり良いとは云えないが、流石に名人戦に強いところを魅せてくれた。
対して羽生二冠はたった一手の落手で、天国から地獄を味わう事になってしまった。
しかし、そういう事を引き摺らない(表面上は)のが、羽生二冠の凄さでもある。
注目の
第2局は、第1局と同じように進行したが
森内名人が6手目に
△8四歩と突いて、
一手損角換りを目指すことで
第1局に別れを告げた。
一概に、一手損角換りに対する先手の対策と云っても色々あるが
最近では
早繰り銀になることが多く、羽生二冠も早繰り銀を採用している。
そして、正に
「羽生の頭脳」と云える秀逸な構想を見せた。
上図は後手が
△6三銀と上がった手に対して、今切ったばかりの3筋の歩を
再度、合わせたところである。
△6二銀の状態では、
▲3五歩〜▲2四歩の筋は成立しないが
「△6三銀の状態ならば・・・」というのが、この手の意味。
実際はギリギリの変化らしいが、受けで鳴る森内名人を持ってしても
どうやら、この変化には踏み込めなかったようだ。
・・・となると、主張を通した羽生二冠に流れが向くのは必定。
この将棋特有の、飛び道具が乱舞する激しい戦いになり
その中で、羽生二冠が着々とポイントを稼いでいく。
上図の
▲5二歩の王手が、
「焦点の歩」と呼ばれる手筋で
これで後手は参ってしまった。
飛車で取る以外は
▲2二飛成でダメなので、
△同飛の一手だが
▲5三銀が、強烈無比の一手となった。
以下は、羽生二冠が緩急自在な指し回しで完勝した。
午後8時52分、総手数111手。
本局は森内名人を始め検討陣の全てが、ノーマークであった再度の
▲3五歩を
深く掘り下げ繰り出した「羽生の頭脳」の勝利であろう。
幾ら森内名人も百戦錬磨の兵とは云え、少なからずインパクトを受け
それが影響している筈である。
これでお互い先手番を制して、振り出しに戻った。
勝負の行方は、先に後手番をブレイクした方に流れそうな気配である。
注目の
第3局は森内名人の先手で、
5月8日(木)・9日(金)に
福岡県福岡市の「JALリゾートシーホークホテル福岡」で行われる。