あらすじ:
痴呆病棟で熱心に老人の看護に励む,若い看護婦の手記。
患者の痴呆は程度も個性も様々。毎日お地蔵さんの前掛けを縫う人,自分をまだ小学校の校長だと思いこんでいる人,いつもキューピー人形をしゃぶっている人・・・。
そして起こる何件かの患者の急死。終末期医療では,患者の死は珍しいことではない。
しかし,だれも怪しむ人がいない中,城野看護婦は真相に気づいてしまう。
感想:
考えさせられる小説でした。
ミステリーと銘打っていますが,ミステリーとしては20点。でも小説としては100点。
この小説の痴呆患者は,序盤で描かれているそれまでの人生に応じた形で痴呆の症状が出ており個性も色々。そして,痴呆の度合いも色々。
そして中盤から語られる病棟の看護士たちの対応は臨機応変で根気強く,主人公の熱心で万事落ち着いた看護の様子は読んでいて清々しくさえ感じられる。
病院での看護の様子や大変さの描写は,細部まで臨場感があるが悲惨さはなく読みやすい。
その後,後半で安楽死,尊厳死のテーマが出てくる。考えさせられますね。
誰でも,私も家族も,いつかは老いる…その通りです。

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