2006/10/13
「それでも御前は嫌いと言うのか? 一つ目の試み」
それでも御前は嫌いと言うのか?
意外と、自分の事を良く解って居無いという事が多い。
「好き嫌い」は、あまりしない方だとは思っていたのだが、考えてみると結構、嫌いなものが多かったりする。食べ物、人間、音楽、映画、本…
そして、其れらの嫌いな理由の殆どが、「生理的に」という、実に曖昧で逃げ腰な理由なのである。そして、その理由を突き詰めて考えていくと「あまり良く解っていないから」曖昧な理由で嫌いなのであると分析出来る。
「それでも御前は嫌いと言うのか?」
この企画は、そんな曖昧な答えばかり言っている私に対する、一種のツッコミであり、逃げ腰な答えばかり言っている私に対する、一種の提案でもある。
「嫌いなものにも、真剣に向かい合えば案外、そんなに嫌いでも無かったかも?」という一つの真理が見えてくるかも知れないと思ったのである。
毎月二つの「嫌いなもの」に2週間、出来る限り向かい合って過ごしていき、2週間後に自分に向かって「それでも御前は嫌いと言うのか?」と問い質す。
そして、「それでも嫌いだ」と言うのなら、せめて「具体的な」理由を見つけてあげようという企画だ。
さて、記念すべき第一回。今月の前半の「嫌いなもの」は…
「演歌」
私は、聴く音楽に関しては、結構シチュエーションに見合っているかを重視する。
朝の音楽、夜の音楽、晴れの音楽、曇りの音楽、雨の音楽、スイスイの音楽、ノロノロの音楽…
小学生の頃から、そんなシチュエーションに合わせた音楽を自分でチョイスし、「一人DJ」を気取りカセットテープに編集していた様な実に気持ちの悪い人間だった。
私がチョイスする音楽の殆どは、「洋楽」だった。
其の理由は、洋楽=「あまり周りが知らない音楽」と捉えており、「こんな音楽を俺は知っているんだぜ」という、何ともイモ臭い独り善がりな理由だったと思う。聴いている音楽で自分のアイデンティティを示していたつもりだったのだろう。
しかし、高校の頃から「洋楽の理由」が少しずつ解り始めた。
其れは「イメージの世界を邪魔されないから」という事だった。
こういう事だ。自分の母国語で無い「洋楽」は歌の意味を理解する事が出来無い。しかし其の分、「曲やメロディが持つ(自分なりの)イメージ」に喚起し易くなる。下手に歌詞の意味が解ってしまうと、そちらの方に意識が働いてしまい、スンナリとイメージの世界に入り込めなくなってしまうと思っているのだ。
勿論、大好きなボブディランの歌詞がスンナリと理解出来たら良いのに、と思う事もあるが、今では結構、スンナリ理解出来無い其の事が「特権」と思えるようになってきた。
さて、演歌である。
日本語であり、全部の歌が愚痴っぽく、メロディも同じ様にしか聴こえない。おまけに如何なるシチュエーションにも当て嵌まらない様な気がしている。
私は日本酒を飲まないので、大衆酒場のカウンターで「独り酒」なんてシチュエーションは有り得無い。大型トラックで長距離を走る仕事に就いている訳でも無い。
しかし、こういったものは全て「何と無くのイメージ」に過ぎない。実際の所は解らないのだ。
其処で、2週間付き合ってみる事に決めた。
一人の演歌歌手に2週間も付き合うのも如何かと思うので、3人の演歌歌手に付き合う事にした。「誰もが知っている大御所歌手」「名も知らぬ新人歌手」「違う意味で好きになれるかも知れないキャラクター歌手」とタイプの違う歌手を選出。
順に御紹介しよう。
天童よしみ
石原優子
冠二郎
天童。

先ず顔が嫌い。それでも、付き合ってみようじゃないか。
石原。
「新人演歌歌手」で検索して、適当な人を選んだ結果。
勿論、歌はおろか名前を聞いた事すらない。そして、適当な人を選んだ割には、何とも私の興味袋を弄ぶ彼女のサイト(こちら)の出来の良さ!
突っ込み所、満載である。
●ページ上部の赤字での紹介。いきなり大御所の名を連ねて寄り掛かってる感にクラッ。
●70歳という高齢にも拘らず「『夜の錦糸町』がヒットするまで」頑張るという、先を見据えない悠長さにクラッ。
●ページ左部の「優子の一芸」の四枚の写真とコメント!其の衝撃度。前衛的四コマ漫画の名誉をあげちゃう。クラッ。
●同じく左部の「街角道」内の文章。18年間、一生懸命働いたトリスバー。感謝の気持ちと、これからの決意と、嘗ての御客様への応援の呼びかけの中に、チクリどころかドッチャリレベルの猛毒「お客様の中には飲食代をたくさんつけで残して返済しない人もいましたが」を、何気に盛り込む悪魔っぷりにクラッ。そして、そんな悪魔ッぷりが嘘だったかの様に思わせる最後の一文「いつもおしゃれな優子です」クラックラッ!
●トップページ最下部の「石原優子のご案内」の、纏まりの無い文章。かなり日本語が話せるが完璧では無いレベルの外国人が書いた様な、夢現の文法力。中でも「演歌ファンには溜まらない魅力」の誤植は、ナンダカ「身体に害の無い魅力」という意味にさえ感じさせる説得力が漲る。クラックラックラッ!
2週間、御付き合いさせて頂きます!
冠。

説明不要。既に、少し好き。
ノイローゼにならない程度に2週間、演歌と付き合うつもりだ。
先ずは、音源入手。そして愛器ギガビートに転送する事から始めよう。
結果は10月27日。
10月16日の月曜日は「大越冬」の途中経過報告です。

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