チビちゃんはなんでだか小さい。
小さいからチビちゃん。
でもチビちゃんの本名はアクビ。
アクビちゃんって呼ぶのは動物病院の先生だけ。
チビちゃんがうちに来たのは1991年9月8日。
チビちゃんはタウン誌の『あげます』コーナーで見つけた。
電話をかけてもらいに行くと「さっさと持ってって!」って態度だった。
血統書付きの母猫と外猫のロマンスの末の不肖の子で、
その母猫の価値が下がるとか言ってたな。
アタシの名前も電話番号も聞かずに玄関先でチビちゃんをくれた。
今でも憶えてる。
その日は土砂降りの雨だった。
うちに連れて帰るとまず凶暴な文太に襲われたけど
ケロッとしててね、なんてなつっこい子なんだろうと思った。
怯えるわけでもなくすぐ文太と仲良くなった。
若い頃のチビちゃん
文太とチビちゃん
毎年12月頃予防接種をしている。
一昨々年目やにが出るんでついでに目を診てもらって目薬をもらった。
そして一昨年の予防接種の時も目やにが出ていて、また診てもらうと
「あらっ?瞳孔が…」と先生に言われ詳しく検査をしてもらった。
そして「両眼とも見えてないですね」と言われた。
毎日一緒にいたのに、いつから見えなくなったのか全然わからない。
チビちゃんは普通に家の中を歩き回ってたし。
腹膜炎かもと言われ、その検査もしたけど異常なしで
失明した原因はわからないまま。
まぁもう治ることはないんだから、怖い思いや痛い思いをさせてまで
原因を突き止めてもどうにもならない。
「猫は元々視力に頼ってないですからね」と先生に言われたけど
その通りみたい。
走り回るし、高いとこも飛び乗るし、オモチャだっておいかける。
今アタシが1番恐れていることは地震。
もし大地震が来て体育館とかでの避難生活を余儀なくされたら…
こんなこと考えたくもないが、
太郎達なら外でもなんとかやっていけると思う。
でもチビちゃんは目が見えない。
いくら視力に頼らない猫でも、知らない世界に放り出されたら
どんなに怖いだろうと思う。
もう高齢だし、チビちゃんが生きている間だけでも
大地震がおこりませんようにと手前勝手な願いを持たずにはいられない。