2005/4/2
ナタデココなんていう代物の噂を初めて耳にしたのは、いつのことだったろう。
小生がサラリーマン時代だった頃に、事務所などでその名称を耳にした記憶があるので、もう、十数年にはなるだろう。
今では、おなかの調子を整える食品として厚生労働省から許可された「特定保健用食品」として売り出されるほどになっている。時代も変わるものだ。
話題沸騰していた頃は、コリコリした食感、人によってはイカの刺身のような歯触りがあるという人もいたけれど、目新しさとカロリーの低さによって、(テレビや)雑誌の宣伝もあったのだろうが、口コミで人気が広まったような印象がある。
聞くところによると、ココナッツの果汁から作られるとかで、食物繊維も豊からしく、お通じの調子が不具合な方にも、その辺りが案外と期待を篭めて受けていたようでもある。
が、あるサイトの記事を読むと、一頃の人気が落ちたのは仕方ないとして、
実のところ、人気低落以上の問題があるようでもある。
詳しくは上記サイトを見てもらうとして、ブームが去ったあと、「大きな置き土産が今問題となっている」という。それは、「ナタデココの製造現場はすべて田舎の個人の家の工場で行われたので、製造中に用いられた氷酢酸の2次公害が起こっている。強い氷酢酸の酸による皮膚炎、垂れ流した土壌の酸性化等」だという。
確かに、「甘い話のあとには苦い話が必ず続いてやってくる」ということなのか。
さて、本題に入ろう。以上までの話は、ただの前振りである。
一時は駄洒落道に生きようかという悲壮なる決意を固めようとまで思い詰めたことのある小生、ナタデココに絡む誰しもが思い浮かぶ駄洒落など、本来、口にするどころか、頭に思い浮かんだというだけでも、恥である。
が、もう、ブームとしてのナタデココは、とっくに終わっているのだし、季節外れの話題に触れるという、微妙なスタンスの中でなら、触れるのも構わないだろう。
そう、ナタデココと聞いた瞬間、駄洒落のセンスの持ち主なら、誰しも、「鉈でココ」と聞いたはずだ。鉈で、ここをどうするのか、薪でも叩き割って欲しいのか、それは分からないが、とにかく「鉈でここ」なのである。
が、あまりにストレートな駄洒落なので、ダジャレリストとしては、恥を忍んでいては決してその道に邁進することなど考えられない、その小生でさえ、このダジャレは口にしなかった。十数年に渡り、封印してきたのである。
まして、「ナタデポコ」なんていうのは、痛すぎて、脳裏に浮かべるのも論外だった。無論、「なんちゃって、ここ」なんてのは、意味不明すぎて、使い道がなさ過ぎる。
が、実は、そもそも「鉈でここ」の前に、「ナタデココ」という名称さえ口にしないで来た。
というのも、噂はすれども姿は見えず、で、なにやら床しい、洒落た食べ物のようだけれど、なかなか口にする(「ナタデココ」という名称を話す、という意味じゃなく、食べるという意味)に恵まれず、少々、拗ねてもいたのである。
そう、まだ、中年にはなりきれない三十代前半だった小生、初心(うぶ)にも、自分だけ食べられない、話題の輪に入れないことに、捻くれてしまったのだ。
そんな鬱屈した思いがあるだけに、一層、「ナタデココ」も「鉈でここ」なんていう駄洒落も、気軽には口に出来なかったのである。
実は、「ナタデココ」という名称を迂闊には口に出来なかった、他の理由もある。
小生の曖昧な記憶では、「ナタデココ」と相前後して、「ティラミス」という、噂によると目新しい食べ物も流行し始めていた。80年代の後半当時、世はバブル真っ盛りで、大概のものは食べ尽くし食べ飽きた、そんな連中が、鵜の目鷹の目で世界から当時としては新規な食文化を求めていた時代でもあった。
ここで、念のためだが、「ティラミス」の画像などを。
まあ、ネット検索したら、数知れない関連サイトをヒットするし、そもそも小生より、常識の豊かな世間の方々のほうが遥かに詳しいだろうと思うのだが、老婆心での配慮なのである。万が一にも、小生より、世間の事情に通じない方も、いないとも限らないのだし。
で、ついでに、というか、公平を期するため、「ナタデココ」の画像も。
これまた、レシピも含め参考になるサイトは豊富である。この画像を示すのは、小生が初めてナタデココを食べた際には、プレーンなナタデココではなく、カラフルなフルーツたっぷりのデザート風の状態で食べたからで、フルーツの山の中にナタデココがあると聞いて、試しに食べたのだが、必ずしも美味しいとは思わなかったのだった。
ま、先に書いたように低カロリーとか、食物繊維が豊富とか、食感などの上で目新しかったのだから、味が抜群というわけじゃなかったわけで、味を期待するほうがピントがずれていたのだろう。
とにかく、当時、「ナタデココ」やら「ティラミス」やらが同時に、小生の容量の小さな頭に入ってきたものだから、パニックになっていた。そもそも実物を見ていないので、話を聞いていても、両方の名称で浮かべる映像が、ごっちゃになってしまう。
「ティラミス」ならぬ、ニアミスを起こしてしまったりしていたのだった。そもそも、ナタデココは、語感からしたら、フィリピンというより、語学音痴にはイタリア的雰囲気も漂ってくるのだ。
そう、思えば、「ナタデココ」は、フィリピン由来のものらしいが、「ティラミス」はイタリア由来のもの。イタリア食ブームが始まったのは、いつからだったろう。やはり、先に記したように、バブル期に始まったものなのだろう。
それが、バブルが崩壊した後にも、消え去ることなく、むしろ、日本に定着したのだった。イタリア文化が食に限らず、音楽や絵画などの芸術を含め歴史的に奥行きが深いから、飽きられるようなこともなかったのだと思われる。
いまや、「イタめし」なんて言葉さえ、定着している。カルパッチョやらペペロンチーノやら、スパゲッティーにマカロニに、ドルチェにガナッシュにガトーショコラにパスタに、耳や目を掠めるイタリア語の食関連用語は、数知れない。
「ティラミス」に戸惑っていた頃が嘘のようである。
さて、そんな中、小生が最近、気になるのは、ブラジル系の料理。やはり、サンバに夢中になった影響が出ているのだろう。昨年の秋から冬に掛けては、ライブもあるということで、ライブを見ながら、ブラジル料理を食べてる機会に恵まれた。
イタリア料理もいいけど、ブラジル料理もいいと思う。機会があったら、また、ライブ、観に行きたいな。
(04/09/15)
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