世の中は、どうにもこうにも別れが必要らしい。
そういう私にもそれがやってきた。
いつからなのだろうか、別れの品はハンカチーフと。
あれにしようかこれにしようか散々迷った挙句に買った結婚祝いにつけて・・・
汗をぬぐえます
言葉では取り返しがつかなくなった時
にじみ出る冷や汗を
涙がふけます
みつめれば みつめれば
悲しくなくたって涙はこぼれる
ひろげられます
無の上に
とび出せられます 魔術師のように
美を
くしゃくしゃに丸められます
アイロンがかけられます
女の強い腕があれば
汚せます
血で泥で
そしてまた洗えます 何度でも
すこしグレイになるかもしれない
破れやすくなるかもしれない
でもしばれます 致命傷
包めます グーズベリ
すくえます おたまじゃくし
捨てられます
いつでも
とりかえられます
銀座松坂屋一階で たとえば
オムツ三ダースと
谷川俊太郎「空に小鳥がいなくなった日」より
ハンカチを頂いたが、オムツに交換するには子供は大きくなりすぎた。
致命傷を負ってはいるが、まだまだこれの助けは要らぬと強がりをせねば。
そういうことで
本来の目的である「涙」を少しばかり拭かせてもらったが
机の上にこぼれたものについては、やはり雑巾とでも言うしかないか。
なにはともあれ
別れの季節である。


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