親父の散歩に付き合った。
スキーのストックを杖代わりに、よたよたと。
商店街を抜けて踏切を渡る。
「百円、貸せ」と言う。
「さっき渡したやろ」と答えると、ああ、そうか、とポケットを探って見つけ出し、マクドナルドに入る。
「息子ですねん」とちょっと自慢げにパートのおばちゃんに告げながら、ソフトクリームを買う。
駅の階段を上がり、コンコースを通りながら、とぼとぼ。
「山、見えるねん」と言う。
せやな。あの山にも、一緒に何回も登ったな。いろんなこと思い出しながら、涙が止まらんかった。
僕は、一人で育ってない。
親父とお袋に育てられたんやな、とつくづく思った。
涙が止まらんかった。

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