18日夕、名古屋はミッドランドスクエアの「ジャクエツ内覧会」をのぞいてみた。
まさに“のぞいてみた”という感じ・・・なぜなら内容がこれだから。
「世界の一流品を一堂に」! だから会場も一流!
一流じゃないのは私の風采だけ・・・
それでも客は客だから、社員さんが付きっ切りで案内してくれる。
まずは「リヤドロ」のコーナーへ。
花びら一枚一枚細かく薄っぺらく、まさに超絶技巧が施されているそのすごさは私も知らないではないので、それが観賞する表情に表れてしまったのかなあ・・・
とにかく一生懸命「お買い得」と勧めてくれたのが“450万円”の代物!
私のどこを見ると、そんな大金を持ってそうにみえるんだろう。
とにかくグリコのおまけみたいに小さなやつでも10数万円というそのコーナーを、逃げるように立ち去り、一番見てみたかった絵のコーナーに移動する。
すぐに目に入ったのが棟方志功の作品。小品だがすばらしいものが目にとまる。
社員さんがすかさず、
「そうでしょう、それです!」
と、その作品がいかに棟方らしいかを説明し始める。
「うん、私もそう思うなあ」
とうっかり言ってしまった手前値段を見たら、1050万円!
今度買おうとしている車の4台分じゃないか!
私はなにげなく社員さんの注意をそらそうとした。
「いや、平山郁夫さんの版画がどうかと思ったんだが、全部売約済みになってたねえ」
180万円が3点展示されていたのだ。
「残念だ、ははははは・・・」
そのむなしい笑いを聞いて、さすが社員さん、私を値踏みしたねえ。
そのあとぐっと落として「50万円」くらいの商品を主に紹介してくれ始めたのだ。
ちょうど玄関マットぐらいの大きさのペルシャ絨毯が50万円!
そんなもの敷いたら、うちの家族、だれも踏まずによけて通るぞ!
ここをまた逃げるように休憩コーナーにたどり着き、コーヒーをいただく。
一流の味と香りがした。
考えてみるに、保育園・幼稚園の環境づくりを社業とする会社のこと、真のお客様は「オーナー園長さん」とか「理事長さん」なのだろう。いわゆる経営者相手の仕事なのだ。
私、体格だけ立派だから、なにかそのう、間違えられているんじゃないかと思ったね。
「じゃ、今日はこれで失礼します」
わかった以上は退散しなければいけない。そそくさと帰ろうとしたら、
「センセー、もう一箇所だけ!」
と声がかかった。
今度は何を?と思ったら、バッグ売り場だ。
あ、そうか、今日は女房殿が「お父さんはすぐ忘れてくるからこれでいい」と言って買ってきてくれたどことなく「百均風」のバッグを持っていたから、そこに目をつけられたのだ。
「これなんかセンセーに実によく合いますよ。シックでソフトで・・・10年経っても痛みません。かえって柔らかくなって、手になじむようになります、クロコですから」
クロコなのだそうで・・・そのバッグよりも、それをみせてくださる女性デザイナーさんの指が、緑色とか金色にキラキラ光っているのが珍しくて、そっちばっかり見てた。
「お値段は・・・」
ほら来た。
「47万円ですが、今日はこの賞品だけ特別に35万円にいたします。だってセンセーにいかにも似合いますもの、いかがでしょう?」
そんなもの、どっかに忘れてきたらどうするんだ!
いつも財布の中にいくら入ってると思ってるんだ!
かつてこのミッドランドスクエア14階のレストランで、セレブの人たちと夕食をともにして、私だけワリカンが払えなかったんだ!
弁護士さんに立て替えてもらって、あくる日振り込ませてもらったあの屈辱・・・お金持ちのように「ははは、すまんすまん」なんて言ってられないのだ、貧乏人は!
こんな私でも、帰るときにおみやげをいただくことができた。
さすがジャクエツ、太っ腹!
(こっちが太っ腹になりそうなバウムクーヘンだった)
ジャクエツさんには内緒だが、童画の小野孝一先生から、こんなすてきなおみやげをいただいた。
いいなあ。
きっと先生は、何百万円の絵の前ですっかり疲れている私のことを見ていてくださったのだ。
もう大喜びで、今日は14階は避けて、4階のレストラン街を見てまわり、一番安いメニューが掲示してあったこの店に入った。
すばらしい、おいしい! 得したような気分になる。
やっと元気を取り戻して、市街へ出た。
若者がなぜか集団で移動していた。
今年も暑くなるなあ・・・

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