2006/12/13
「三日月」
三日月の、光出ぬ間にちょいと駈け出だす
恋の慣いか人目が邪魔か、曲がる横丁の柳陰。
「三国節」
三国三国とチョイト、通う奴あ馬鹿よ、帯の
幅ほどある町を、チョイチョイチョイ
ある町をチョイト、ホイある町を、帯の
幅ほどある町を、チョイチョイチョイ。
岩が屏風かチョイト、屏風が岩か、海女の
口笛東尋坊、チョイチョイチョイ
東尋坊チョイト、ホイ東尋坊、海女の
口笛東尋坊、チョイチョイチョイ。
西も東もチョイト、南に北か、三国
滝谷糸桜、チョイチョイチョイ
糸桜チョイト、ホイ糸桜、三国
滝谷糸桜、チョイチョイチョイ。
「三隈川のほとり」
三隈川のほとり、着いた着いた、おお着いた
亀山の陰から蓑着て忍ぶ、雨か雪か
ままよままよ、今夜も明日の晩も流連しょう
玉子酒。
花月川のほとり、着いた着いた、おお着いた
慈眼山の里から浴衣で通う、露か雫か
ままよままよ、今夜も明日の晩も流連しょう
しょうが酒。
「短夜に」
短夜に、残る口説の朝なおし
向かいの猪牙は捨小舟、そのまま今日は流連と
互いにつのる恋の情、晴れて添い寝を待つわいな。
「水の出端」
水の出端と二人が仲は、堰かれ逢われぬ身の因果
たとえどなたの意見でも、思い
思い切る気はさらにない。
「三つの車」
三つの車に法の道、火宅の門や出でぬらむ
そらでた生霊なんぞはおお怖や
身の憂きに人の怨みはなんのその
私の思いは怖いぞよ、なぞと御息所が乙うすまして
お能がかりでおっしゃいましたとさ
ノウマクサンマンダバサンダでヤンレ
身を焦がしたとさ、ア悋気に金貸しゃ罪なもの。
「身は一つ」
身は一つ、心は二つ三つ股の
流れに澱むうたかたの、解けた結びの仮枕
暁方の雲の帯、鳴くか鳴かずかほととぎす。
「都鳥」
都鳥、流れによどむ燈籠の、よるよる風に下り船
浪の綾瀬に水清く、心隅田の舵枕。
「宮津節」
二度と行くまい丹後の宮津、縞の財布が空となる
丹後の宮津でピンと出した、丹後縮緬、加賀の絹
仙台平では南部縞、陸奥の米沢、糸小倉
丹後の宮津でピンと出した。
縞の財布が思いの種よ、二度行くまいとて三度来た
丹後の宮津でピンと出した、丹後縮緬、加賀の絹
仙台平では南部縞、陸奥の米沢、糸小倉
丹後の宮津でピンと出した。
惚れてつまらぬ他国の人に、末は烏の鳴き別れ
丹後の宮津でピンと出した、丹後縮緬、加賀の絹
仙台平では南部縞、陸奥の米沢、糸小倉
丹後の宮津でピンと出した。
逢うて嬉しや別れの辛さ、逢うて別れがなけりゃよい
丹後の宮津でぴんと出した、丹後縮緬、加賀の絹
仙台平では南部縞、陸奥の米沢、糸小倉
丹後の宮津でピンと出した。
月が出ました黒崎沖に、金波銀波が鼓打つ
丹後の宮津でピンと出した、丹後縮緬、加賀の絹
仙台平では南部縞、陸奥の米沢、糸小倉
丹後の宮津でピンと出した。
「三吉野の」
三吉野の、色珍しい草中へ、迷い込んだる蝶ひとつ
思い染めたが恋のもと、たとえ焦がれて死すればとて
鮎に愛もつ鮨桶の、しめてかためた二世の縁
二つ枕に花の里。
「三輪の里」
繰り返し、恋の苧環くるくると、紅縁も三輪の里
切れて乱れてこの振袖に、残る涙の縁の糸。
一目逢いたや顔見たや、泣いて願えば明神様の
森の灯明も滲みがち、竹に雀のほのぼのと
心無いぞえ朝神楽。
投稿者: minminmin
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