2004/9/15

映画「LOVERS」  MOVIE


「十面埋伏」を観てきました。

邦題は「謀」、もとい「LOVERS」です。
公開からすでに20日くらい経っていますので、もうすでにいろいろなところで
「つっこみどころ満載」とささやかれ続けている「LOVERS」です。
「世界は三人の謀の中」の「LOVERS」です。

この映画がどうこういうより
張芸謀監督のアクションの構成がよくわかりませんでした。
張芸謀監督はどうして音楽で云えばサビの部分にあたるアクションを一番最初に持ってくるのでしょう?
前作「HERO 英雄」での無名(李連杰)と長空(甄子丹)との対決、
本作「LOVERS 謀」での牡丹坊の演舞。
これらをしょっぱなに持ってきています。流石、巨匠、張芸謀監督。
しかも、牡丹坊の章子怡の舞は一度随風(金城武)に見せた後、
間髪おかず続けて劉(劉徳華)に見せる念の入れよう、です。

ただ、最初にこんな素晴らしい映像を見てしまうと、後が、後がちょっと…。

特に今回のクライマックス。
映像的に「白」に真っ赤な血飛沫を持ってきたかったのかもしれませんが、
先ほどまで紅葉だった野山が、たった1日でまるで「ムーミン谷」のように雪に埋もれてしまい
全てがなし崩しになった、…ような?最後がなんかぐだぐだだった…ような?
このラストに比べたら
あのいろんな映画サイトで評価が低かった「サル」のラストシーンのほうがよっぽど心に残ります。
(「謀」という点においても「サル」のほうがまだ納得できました)
まあ、あの三人については、雪が降り始めたあたりから、もうどうでもいいから早く決着つけてくれ、
ぐらいにしか思えませんでしたが、「飛刀党」と朝廷の闘いがどうなったのか、気になります。

そもそも「飛刀党」の謀略もなんかいまいちのような気がします。
なにもこんな手の込んだことをしなくても、
むしろほおっておいても朝廷は動いたように思われるんですけど、どうなんでしょう?

古龍の「辺城浪子」を読み終えたばかりだったので
最後の飛刀の使い方も監督がただ映画に使ってみたかっただけ、みたいに見えます。
この映画は、監督が、程小東でなく張芸謀なので武侠映画になり損ねて
べたべたのラブストーリーなっちゃったんですね。
おかげで古龍の小説のように得られる教えも、映像以外に心に残るものがほとんどありません。

俳優については
台湾の濃ゆいのと香港の濃ゆいのが一緒に出ているので
はっきり行って目が疲れました。
男二人は、もう少し違うタイプを持ってきて欲しかったです。

でも、劉徳華、上手いですね。
「一晩寝ていないんだぞ」と云うときの寝ていない顔の演技が
目の下に見えない隈が見えました。

章子怡については、どこかの映画掲示板で
「井森美幸」がどうとかと書いてありましたが、
確かに時々顔が井森美幸に見ました。
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2004/9/16  16:23

投稿者:「行きたいところに行けばいい」管理人

ところで、この映画、武侠映画やアクション映画としてではなく、ラブストーリーとしてみるとどうかというと、

漠然とですが、「私達3人とも全体が見えているのでこういう流れになりました。」
そういう印象を受けます。
つまり、3人それぞれの心の動きや行動は、自分の目の届かない出来事を含めこの物語の全体が《見えている》人の動き、行動のように見えてしまうのです。
もっと突き詰めて云えば、「何故、女扱いに長けた金が小妹に3日という短い期間で恋してしまうか」が理解できなかった金城武が演技の全てを監督の演出に任せたというように、3人の恋心は、彼らの本来そうなるはずの意思とは別に誰かの手によっていいように動かされているかのようです。
誰かは云いませんけど。

おまけに3人が3人とも素直過ぎ。
「謀」なんてもってのほか、と思うくらいまっすぐにしか物事を見ていません。
小妹は金が自分を好きだと疑わないし、金も小妹が自分を好きなことを疑いません。
劉は劉で、3日で金を好きになった小妹が二度と自分の本に戻らないことを疑いません。
あげくのはてに3人とも任務にそむいて血で血を洗う戦いに身をゆだねてしまいます。
これを純粋すぎると云わんとして何を純粋を云おうか、です。
もっと世間の垢に汚れろよ、と云いたいくらい、です。
ひたむきと云えば、聞こえはいいですが、バカみたいに無邪気です。

3人が3人とも同じような行動をとってしまうのも
全ての矛盾を「愛(=理屈では説明のできないもの)」で納得づけようとしているのも
これって監督1人の恋愛感が全てに反映された結果なんでしょうか?

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