ごあいさつ  

 木の花で心安らぐ空間の一つが、庭とホールをつなぐたたき。

 そこは四季を彩る季節感のある庭での泥臭い遊びと、ホールでの二階や物置とも連なった摩訶不思議な遊びが、同時に味わえる空間。大きな声では言えないけれども、書類より大事な我が工作道具がここに常駐してあることも理由の一つ。どうやら職員室より部屋よりも、たたきの方が性に合うようだ。担任外のフリーの「生活」、いやいや「仕事」を三年も続けると、そんな性分に拍車が掛かったらしい。思えば、二階建てのダンボールハウスも、庭に引っ越した「木工ハウス」も、ペットボトルロボットも、子どもが入れるダンボールライオンも、このたたきで生まれた。周りに満ち満ちた子ども達の遊びの匂いに刺激されて。

 そんなたたきをベースに垣間見える子どもたちの愉快でおもしろい姿・・・・。

 物置の裏の様々な遊具たちの乱舞、庭の茂みに隠されたバケツの中身、レンガで組んで作った隠し小屋の数々、庭の「木工ハウス」の雨どいに集う面々、砦の下から掘り出したもの、木片を切って出るおがくずの行方、ダンボールのお家の中での怪しいやりとり、ピアノの下に出来た隠れ家、焼き芋のかけらの争奪戦と分かち合い、階段を腹ばいで下る奇妙な一団、大型積木の日替わり劇場、透明ボールの野球観戦・・・・・。楽しくて可笑しくて、それでいて保育学的な分類も整理もしにくい、子どもたちの木の花的日常生活。

 ここは、木の花での子ども達の遊び風景の断片を綴る、「園長日誌」、とでも思ってください。木の花幼稚園での様々な場所で、子ども達が織り成す情景の随想、とでも思って気晴らしに覗いて頂けば幸いです。

 子ども達が来るまで、この「園長日誌」はたたきの道具箱に収納中・・・・。
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2009/10/2

キリンか馬か恐竜か・・・・  

「これ跳び箱でしょ?」
「そう」
「やっぱり」
「壊れたの?」
「そう、でも生き返るんだ」
「ふ〜ん、直すの」
「別のものにね」

「お馬さんになったの」
ふむ、馬跳びとも言うしね。
「いやキリンだよ、これは」
ふむ首の長さから言えばキリンか。
「馬だよ」という子は馬乗りになって叫んでいる。
「う〜ま」
「キリンだよ。首が長いだろ。」
「きりん!」
確かに竹を使って動く首はちょっと細長くキリンに見えなくもない。
「でも足が短いよ」
なるほど馬にしろ、キリンにしろ、この跳び箱動物は足が短い。
「じゃあ恐竜」
「何の?」
「首長竜」
確かに足は短いけど・・・。

「なんで作ってるの?」
「運動会のときのお父さん、お母さんの座る場所さ。」
「どこに?」
「あそこのつり橋の下。揺れないように。」
「ふ〜ん」
分かるかなあ?

壊れた三段の小さな跳び箱を捨てるというので、もらって物置に回収して早1年。使う機会がなかなかないままようやく陽の目をみる。植え込みにある揺れる「つり橋」を運動会の保護者席にするために。別に動物にするつもりはなかったんだけど、高さを合わせて「足」をつけると動物になってしまった。子どもらの喧々諤々の議論をBGMに作業は終了。なんとか運動会には間に合ったね。
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2009/9/30

地域探検  

 「おさんぽ、いきたいひと?」
「はいはい!」「は〜い」
「どこにいくの?」
「中央小とさいび園さんに運動会のプログラム届けたいねんて」
「いくいく!」

運動会のプログラムができたので、さいび園、中央小学校、中村町小学校へ届けにいく、という名目のお仕事で近所めぐりの探検に出る。プログラムを届けるお仕事、というのはあくまでも名目で、実際は地域探検。ここらへんのアバウトさがおのこり散歩のポイントかなあ。

「おむかえはなんじ?」
「4じ」「4じはん」
ふむふむ大丈夫。
「3じ」
う〜ん、ごめんちょっと無理。戻ってこれんわ。
人数を絞って6人まで。年中さんも混ざっているのがいい。

おのこりお散歩をこの手のお仕事名目で今年何度もしているが、本筋は地域の遊びマップを作りたい、というのが第一の理由。通常の保育でも近隣に散歩やらお買いものやら出歩いてはいるけど、定点的でまだ十分街中を遊びの視点で面として十分捉えてこなかった、と思う。特に長町界隈は裏道が多く意外に歩いていると面白い。ついでおのこりの遊びにこの地域探検遊びを入れたいのが第二の理由。おのこりは自分たちの意思でまだ遊びたいから、と残っている子どもたち。昔であれば降園後は地域に戻って、神社や公園、空き地や路地裏などで近所のガキども(失礼)でいろいろな遊びを展開して育ってきたはずだが、今はなかなかそうもいかない。それならおのこりのときがチャンス。

 庭から裏道に出る。小路を折り返しながら通りに出ると中央小学校はもう目前。今日は車は一台も会わず。通行規制の影響もあると思うけど、やはり裏道は歩きやすい。何度か来ている中央小学校、慣れてきたのか下駄箱に靴を入れると二階に上がって職員室へ。教頭先生に子どもたちがご挨拶して運動会のプログラム。この日は用事があってこれないけど、今度秋探しに一年生が幼稚園に行ってもいいですか?と聞かれて、どうぞ、と即答。秋のものってなにがあるの? と教頭先生に訊かれて、栗、アケビ、柿・・・応える子どもたちは、う〜ん食べモノばっかり。授業中の体育館をちょっとのぞかせてもらって今日はさいび園を目指す。

「しってるよ」という子が道案内。車通りを渡って小路を入るとさいび園だ。
「こんにちは〜」
「いらっしゃ〜い」
園長先生が優しく出迎えくれた。運動会のプログラムを手渡して、来てください、という依頼。「これ、リレー」「忍者のダンス」「パラバルーンもあるよ」「観にきて!」・・・・。全園児の競技(今回は鬼ごっこだけど)にはいつも参加してもらって一緒にやっているが、今年はさいび園さんの運動会も近い、という。いけるかなあ〜とちょっとつらそうだ。無理せずに来れればどうぞ、という話でさいび園さんを後にする。まだ時間はあるな・・・・。

 さいび園さんから近くの金沢クライミングウォールへ遊びにいく。以前おやじの会でも来たことがあるクライミングジム。花海道の実のなるさくら公園を抜けて用水路沿いを通ると、そのジムに到着。
「このはなようちえんの絵があるね。」(ポスター)
「こんにちは〜」。
オーナーにご挨拶して中に入ると、
わあ〜
すげえ〜、と子どもらの歓声。

「登っていいの?」
「いいよ。」
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気さくなオーナーのご厚意に甘えて子どもたちの壁登り。知り合いの保育園にはこの壁が一面保育室にあって子どもたちの人気の的になっている、という。代わりに散歩がてらここで遊ばせてもらうのも手だな。
「にんじゃのしゅぎょうだ!」と運動会で忍者づいているまつくりさんは結構登る。ボルダーエリアの天井まで触る子も。壁を登りマットにとび跳ねて一通り忍者修行を終えて、帰ることにしよう。
再び用水路沿いを抜けてさくら公園に戻り、学校帰りの見慣れた小学生たちと挨拶を交わし小路を折り返し駐車場の小塀を「一本橋」で渡り、長土塀公民館にある保育園の先生にもご挨拶してさらに迷路のような小路を折り返すと、

「あ、ようちえんや!」
木の花の裏門に出た。

さて翌日。前日とは別のメンバーと中村町小学校あてにプログラムと秋の祭礼が近い犀川神社への「御供料」も高橋先生から託されての地域探検へ。

お参りをして神主さまに「御供料」を渡すと上から落ちてくるものあり。銀杏だ。「ぎんなんって知ってる?」「うん、くさいやろ」、「でもおいしいんだよね」・・・。
あ、また落ちてきた。神社には立派な銀杏の木が2本。さらに実のなる椎の木も。幼稚園にもあるけど実はならないもんねえ。今度拾いにきたいね、いつでもいいよ、とやさしい神主さんに手を振り、御影橋を渡り中村町小学校へ。
学校帰りの小学生に挨拶しながら職員室へ。一年生の見慣れた先生を見つけると恥ずかしがり屋のまつくりさんたちも「どうぞ」とプログラムを手渡しちょっと堂々とした感じ。遠足の途中に寄らせてもらうね、と先生。「待ってます」と子どもたち。その後ご厚意で学校内を探検。体育館で遊び、図書室で絵本を広げ、工作室を覗いて学校を後にした。

 雨が降り始める中小走りで幼稚園へ。「雨宿りしよう」という子どもの声でマンションの軒下で小休止。疲れたねえ・・・。そうだ、神主さんにもらったお煎餅があった。お母さんや先生、ほかの子らにも内緒やで〜と約束してちょっとづつ分け合う。「うん、なんか力が出てきた・・・」だって。げんきんな子どもたち。
雨も上がった。
いそげ!走れメロスじゃなかった、走れ忍者たち!
 なんでこんなとこ走しっとる?と顔見知りの卒園生の母たちに何人も出会い、「おしごとなの~」と愛想振り振り幼稚園までひた走る。
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2009/9/25

Shall We Dance?  

 「ねえ、まだドレス着ないの?」

しなを作ってダンスの先生に持たれかかっている女の子は、「おひめさま」は必ずドレスを着るものと思い込んでいるようだ。ひょっとすると自分もドレスを着られると思い込んでいるかもしれない。だって、女の子の参加者がいっぱいいるのはそんな幻影をみているがゆえなのかも・・・・。

おのこりの隔週金曜日、幼稚園の近所のダンス教室の先生が「親子でダンス」を指導してくれる、という。それも無料のボランティア。預かり保育の中に降園後ゆえのおのこりしている子どもたちだけで作る新しい遊びや生活を模索しているなかにあって、渡りに舟の話である。聞けば小さい子どもたち(幼稚園児から小学生低学年くらいまで)にダンスを幅広く教える、技術指導というよりはダンスの楽しさを伝える場がどこにもない、という想いからだそうだ。社会の中にダンスの裾野を広げる場を、それも小さい子どもたちから、とい考えは、登山の世界での中高年齢化の傾向拡大と重なって感じる部分かもしれない。
もともとはクリスマス会に子どもたち、お家の人たちに華麗な衣装で社交ダンスを披露してもらって10数年。代々子どもたちは「おうじさま」と「おひめさま」と呼んでいるが、僕が幼稚園に勤めたときにはお子さんが在籍していたから、その頃から変わらぬ容貌、体型、姿勢を維持している「おうじさま」と「おひめさま」にはただただ感嘆するほかはない。こちらが一方的に老けていく身を省みつつ、「あゆせんせいも是非!」という声にほだされて、子どもたちに混ざっての参加となる。この日が2回目なのだが、お家の人の参加が少ないのは残念というほかない。平日休みの父がいれば是非ご参加あれ。

手拍子を入れたり、二人組でギャロップしたり、子ども同士のリズム感を生かしながら、さあ、では本番のステップ。これがなかなか難しい。右、左、右、左・・・と足の出し入れで頭がいっぱい、身体もいっぱい。どうしても盆踊りっていう振りになてしまうんだよなあ。子どもの方が素直かも。音楽を身体で感じて動く・・・・この感覚は運動会のダンスと相通じるのだけれども。「正しく」、より「楽しく」、そのほうが身体も軽く美しい・・・。先生のダンスの想いはそこなのだなあ。
「猫背がいかんのよ」とは一緒に踊った母たちの弁。はいはい、了解です。これを機会に猫背も直るといいんだけど・・・。
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2009/9/24

砂場  

 「ねえ、さらさらだよ」
 「あつめてみよう」
 「きれいな石、み〜つけた」

連休中に植木屋さんが入ってくれて庭の穴ぼこを埋める土を入れてくれた。しばらくは庭の穴掘りは「禁止」。庭の遊具も物置に子どもたちに手伝ってもらいながら運搬。一輪車や車、車庫も物置前に移動。代わって園児用の椅子を物置から出す。卒園式を除くとこの長椅子が陽の目を見るのは運動会ぐらいだ。
庭のほぼ真ん中、櫓のあったねんど山もありで運動会は出来ないかな?と思っているうちに、固まっているねんど山を壊し始めた子どもたち。壊すのも十分楽しい遊び。塊ごと取れるのが面白いようだ。塊を転がしたり、砲丸投げよろしく投げたり・・・・・。そのまま子どもたちの遊びの流れで壊すことにしよう。ワイワイ会でも切り崩して、それらは砦の下に運ぶ。

何もない砂丘のような庭に、栗がぽとぽと落ちてくる。砂の中には小さな小石が混ざっているようで、それはそれは「宝石」の如し。栗拾いと小石探し、砂地に一輪車で線をつけて道路、線路を縦横無尽に描き連ねる、砂山を作ってその中に素足を埋めたり、何もないからこその遊びも十分楽しんで見出している子どもたち。
 庭の構成を運動会仕様に組み替えるのは、「運動会のために準備する」という体験のひとつ。しばらくは庭での穴掘りができないこともある、したいことができない日もある、を知る体験のひとつ。期間限定、理由も単純で納得の「禁止」が子どもの中に育む運動会への意欲とイメージと新たな遊びの広がり、というものがみえてくる。お泊まり保育のときに庭にテントを張るときも子どもたちで穴を埋め、穴掘りをする年中、年少さんに「ちょっと止めてね」と年長さんが声をかけるそれとも被るケースのひとつ。目的的に庭のもつこの種の変幻自在の幅の広さが、子どもたちの生活と遊びの中で生きてくる。
運動会を前に、改めて砂場のごとき庭に集う子どもたちを見て感じるひとときである。
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2009/9/16

畳の部屋  

 まつくりさんが運動会で畳跳びをしたいということで、古い畳が四枚手に入った。遊びで使うには大層だし置き場所もないので、ツリーハウスの一階部分にもらうことにした。運動会のまつくり競技のときにはここから運んでいくことにして。

 竹を土台にして畳が置けるようにするのだが、筏状に竹を組む。楢の木の中心に向けて地面が盛り上がっているから高さを水平にするのが難しい。支柱の竹の長さを調整して高さを合わせる。鋸と鉈、鑿を使っていると、回りで見ている子どもたちも「やりたい」・・・・。
さすがに鉈と鑿は無理だが鋸はできそう。順番に鋸で竹を切ってもらう。太い竹は支柱に。細いのは楽器にでもしよう。

 土台が出来て畳を載せるといい按配。

子どもたちは靴を脱いで畳の部屋に上がる。畳に座って一休み。畳の上に乗るとツリーハウスの部屋に上と下で子どもたちが届くのが気づく。畳の部屋から二階(ツリーハウス)にいる子に網を渡して虫取りするチームプレイも早速、登場。やるなあ・・・。
その後、下から上に水を入れたペットボトルを上げたりなかなか盛んになるも、水を流すのは厳禁にした。汚いからって洗っても下の畳が濡れるでしょう。代りに箒を置く。遊びの後、砂にまみれる畳を箒で払う。二階にも渡して箒で掃除。
「おそうじ、そうじ・・・」と子どもたちも盛んに箒を振るう。
一階畳の部屋には竹の楽器も備え付け、あとは軒下の小屋根が必要か。雨が降っても大丈夫なように・・・・・。
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2009/9/7

木道延伸工事  

「こくどうはやくのばそうよ・・・?」と子どもの一人。ペンキ塗りを一生懸命にしてくれた子どもだ。
彼に従えば木道はいつの間にやら「国道」に昇格。

 夏休みに木道やツリーハウス、そして木道延長分の素材にペンキ塗りをしてもらっていながら、なかなか手が回らない「こくどう」延長工事を再開。材料の具合から今度は「つり橋」を予定。運動会の折には保護者席になるように・・・というのがポイント。

 同型の木片に穴を開けてそこにロープを通す、という単純な作業。「こくどう」作りに熱意を燃やす子どももお手伝い。抜いて入れての繰り返しだけど本数が多いから後半になると子どもではちょっとややこしい。なんとか全部繋げると木道の終点から椎の木にまで。椎の木にはターザンロープがあるからこれでツリーハウスの縄梯子までつながることになる。つり橋の途中段階で固定が難しいけどペグで代用。これは子どもの作業としてぴったり。まつくりさんのお泊まり保育でテントを立てた子は意気揚々とペグを打ち込んでいく。また大工が得意な子どもたちも群がってくる。
 
「とおってもいい?」
「うん、落ちないでね。」
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 つり橋はとりあえず完成。「がらがらどん」のつり橋イメージ。ぐらぐらと動くし四つん這いで歩く子もいるし、トロルはいないけど「下は川や」と勝手にイメージして遊んでいる子どもたち。橋げたに足を挟んでいた子も何度か渡るうちに上手に渡るようになってきた。つり橋を渡り終えると椎の木に登ってターザンロープに挑戦するのは年長さん、年中さん。もちろん、やる気いっぱいの年少さんも・・・・・。

 これでさくらの木にある竹に道から一本橋、木道を経由してツリーハウスまで繋がる「こくどう」が完成、「開通」となる。
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2009/9/3

竹の道  

 「見て!」
竹の上から木に登り、下の子から受け取った網でセミをしっかりゲットしていた子どもの得意満面の笑み。
「とって、とって!」とおねだりではなく、高い木の上のセミも自分のエリアになった。そんな自信。
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「すべりま〜す。どいてよ〜」
年少さんの男の子。年長さんに負けじとさくらの木の上から自信満々に滑ってくる。

昨日の扇が丘の遊具に触発されて早速竹を引っ張り出す。即実践あるのみ。とりあえず長いやつ二丁でさくらの木にかけて階段滑り台とする。さくらの木は当初、ツリーハウスの候補にしたぐらい中間からの枝ぶりは四方に分かれとてもよい。縄梯子から登って滑る、というイメージだったけど、縄で竹を縛っている傍から子どもはむしろそこから登っていくのだった。なるほどね。傾斜45度弱。四つんばいで旨いこと登るなあ・・・・。ところが途中で怖くなったのか、すーと滑って降りてきた。

見ていた子どもたちも数珠なりになる。なるほど登れて滑れる、そうするとはしご状にしても滑れる余地を残さなあかん訳や。というわけで二本の竹の横につける竹はしごを滑る下側に装着することにした。
ただ登るほうと滑る側でバッティングするから、もうひとつ傾斜のきつい竹階段を作ることに。傾斜55度強、年長さんはこちらから十分登れる。
続いて鉄棒にも横に平行にするタイプと縦に平行にするタイプ。四つんばいでも行けるし、手で持ちながらカニの横ばいでも進める。これらは木道ともリンクさせての枝道とした。年少さんはこのぐらいでも登る。あとは一番低い一本橋にも。緩い傾斜のある平均台、という感じ。何回かやっているうちに子どもたちも竹登りは靴より裸足がいいことに気づく。

次は竹の階段すべり台をベースに、竹を使ってのツリーハウス工事に取り掛かりたいものだが・・・・。

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2009/9/2

男らしく破天荒に生きん・・・・男性保育者研修  

 偶然と必然は紙一重。幼稚園に積まれた竹を想いつつ夕刻、扇ヶ丘幼稚園に三々五々男性保育者の面々が集合。本日は北陸学院大学の金森先生を講師に「生きる力を持つ子どもの教育とは?」という根源的なところを探る男性保育者研修である・・・・・と書くと堅苦しいが、要は本物に触れることで真髄とまでは言わないにしても「何か」を掴む、男たちの研修会。何せ金森先生が一人で作り上げた竹の遊具が、扇が丘幼稚園(第一幼稚園にも)にあるという。それを見るだけでも値ある、と想うのだ。
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2009/9/1

太陽がいっぱい、竹がいっぱい  

 夏の日差しが照りつける中、新学期が始まる。
在園児のきょうだいの小学校にあるおやじの会で流しそうめんをしたらしく、それを捨てるのが忍びない幼稚園なら何かに使うやろう・・・・とのことで、幼稚園に多数の竹が寄贈?されたのが昨日。・・・・・というか幼稚園の倉庫前に勝手に置いていかれた、という印象なんだけど、確かに一回使ってそのまま捨てるのはもったいないでしょう。学校で竹馬作るとかなんかすればいいやんか、と想いつつ、夕涼み会の盆踊りで残る櫓のあちこちに竹をかけておく。流しそうめんごっこが四方八方で出来る、という按配。

年少さんらは早速に年長さんはお泊まり保育で流しそうめんをしているので、流しそうめんごっこも色々と芸が凝っている、なべを持ち出し竹の先端の下に置き、そのなべにざるを敷いて・・・・、と細かい。流す「そうめん」は栗の花の残がいや葉っぱの類だが、やがて彼らは夏みかんの木に竹と雨どいをかけて二段式の流しそうめんをはじめた。なるほどねえ・・・・・。

 セミを追う子どもたちが帰った後は、庭を中心に四方に流れる水が庭の土を潤し、そこの溜まりにアゲハチョウが舞い、集まってくる。雀の水遊びを眺めながら、竹の使い道を思案していた。
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2009/8/22

真夏のペンキ塗り  

 今年3月に行ったおやじの会主催の「真剣演武」。なかなかこういう場が設けられないんですよ、と真剣の先生の要望もあり、今回は地域の方もお招きしての演武会となる。華麗な立ち振る舞いの演武や400年前のものといわれる重厚な真剣を実際に握る体験も参加者にもあり、保護者や地域の方々も混ざりつつ楽しいひとときを終える。

その後、有志の小学生、在園児、ちっちゃいお友達、お母さん、お父さんらと庭に完成したツリーハウスと木道のペンキ塗りを行う。おやじらのツリーハウスチームと子どもや母ら木道チームに分かれての作業。ツリーハウスの屋根から側壁を塗るおやじらにはハーネス(安全ベルト)を付けさせる。ロープをハーネスに結びこれで落ちても大丈夫。でもなかなかペンキ塗りは様になっている。高所に強いおやじらだ。塗りムラは多少あるけど、なかなかいいチームワークで塗っていく。上から順番に塗るので最後は一階の床、という段取りが少々頭を使うけど、そこはなんとか帳尻を合わせてうまいこと塗り終える。少々ムラがあるけど、それもご愛嬌。

元気いっぱいの子どもらのいる木道チームは早々に終了。その後は木道を伸ばす「つり橋」用の素材に色をつけてくれた。槇の木から園庭の植え込みを抜けて李の木のあたりで止まっている木道。できればこれをツリーハウスまで繋げたい。まだ残る大量の同形の木片のある材料からすると、今度は「つり橋」かなあ。

なおこの日、庭の固定遊具の一本橋も塗ってくれた。有難いこっちゃ。
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2009/8/19

ねんど山のお引越し  

 このままだと盆踊りできません!と先生らに言われてまもなく夕涼み会。
どろどろでも出来るやろ、いや、ええ格好しいの子どもらはけして本番では汚れんで・・・・と内心思いつつも、ねんど山を庭の真ん中に移すことにする。まあ踊りの中心点にして櫓でも立てることにしよう。

硬くなったねんど山をツルハシ振るって崩していると、「なにしとるん?」と子どもたちも集まってくる。お祭りの準備やねん、と言うと崩れた粘土の塊を投げたり、持ったりしてお手伝いに加わる子も。遊びに来ていた小学生たちにも声をかけると、「いいよ」とうれしそうに大きなスコップや一輪車を持ってくる。ふむ、さすがに小学生も2、3年生になると道具の使い方も分かっている。ねんど山の運搬作戦は小学生が入ることでずいぶん捗る。

 暑い日差しに疲れてツルハシを置くと、「これやらせてくれんけ?」とツルハシを握る小学生。「もちつきの杵より重いで」と言うが、「任せてよ」、となかなか頼もしい。しばらくは彼らに任せる。なかなかの気合の入りようだ。ひと汗かいて畑のトマトで喉を潤す。
 
そんな小学生たち大きな山のお引越しは二日で完了。
草むしりに来ていた保護者会の母たちのお手伝いも仰いだけど、道具を駆使した「労働」を喜ぶ小学生たちの力に負うところが大きい。この夏季保育中、子どもらが打った木片に刺さった大量の釘抜きも小学生に頼んだが、「学校ではせんげんて」と言いながら幼稚園の子どもたちには出来ないことも小学生たちは喜々とこなしていく。幼稚園の子どもたちが目を瞠らせる瞬間だ。
夏の陽だまりのひととき、そんな子どもたちの汗がすがすがしく感じられる。

さて中心に来たねんど山。台地状のミニ富士山型。せっかくの夕涼み会だからここに「櫓」でも立てよう。せいぜい子どもが数人ほどしか乗れないけど。
まつくりさんがお泊まり保育で使った流しそうめんの竹の残りがあるのでこれらも利用する。ここのねんど山に竹を差し込む深い穴を掘るのも小学生が大活躍。横に掘っての川つくりが得意な木の花っ子たちも「竪穴」への深い穴は意外に難しい。

「どのくらい掘るの?」
「30cmくらいかなあ」
「じゃあ、これくらいか」と手で測っていた小学生。
おう、だいたいそんなもんや。
「こうだよ」と子どもらに穴掘り指導もする小学生。

4箇所の竪穴に竹を差し込み、小学生に支えてもらいつつ紐で縛って「櫓」の土台は簡単に終わる。「櫓」には木の花音頭の歌詞とその周りには歌にちなむ木の花の絵がまつくりさんたちの手で彩りを添える。
 小学生たちの手の入った合作で盆踊りの準備はひとまず終わった。
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2009/8/18

学校プール交流  

 「幼小連携」、頭ではなくでは実践というわけで早速夏休みの夏季保育には中村町小学校へのプール交流会があった。年長さんにとってはとても楽しみな学校のプール。プールバックを夏の日差しを浴びて陽炎がゆれる道を学校まで歩いていく。こんなことも非日常の楽しさ。足取り軽く元気いっぱいだ。
 小学校につき一年生の教室で早速着替えると、4年生たちが迎えに来る。一人づつ手をつなぎ自己紹介。やんちゃな卒園生の子も大きくなった。
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「この子ら頼むわ」というと、
「うん、だいじょうぶ」と自信満々。

プールに案内されると子どもたちから歓声があがる。深さと広さ・・・・。これは幼稚園のプールとは違う。体操の後、シャワーを浴びてから4年生と手をつないでプールの中へ。ほとんどの子はうれしそうに入っていくが、どうしても怖い子は4年生の背中にしがみついて離さない。

「だいじょうぶだよ」
「ほら足つくよ」

4年生たちの声にも耳に入らず。「じゃんけん汽車ぽっぽ」のゲームでもしばらくはおんぶされてプールの中を回っていた。えらいなあ・・・。4年生たちの献身ぶりが微笑ましい。

「だいじょうかい」と4年生に声をかける。

さすがにしんどそうな4年生。

「しゃがんでみて」4年生が腰を下げると
「わあ〜」と後ろの子がますます騒ぐが足がつくことに気づく。
「あれ」という感じ。ようやく安心したのか、あとは4年生の肩につかまりながら嬉々とプールを楽しんでいた。

全員でのゲームの後には、大型のビートバン?に乗ったり、「貝殻」探しをしたり・・・・。4年生の考えた大きなプールを存分に生かした水遊びを存分に堪能した子どもたち。4年生に別れの挨拶をしてプールを後にした。

その後、折角なので学校の構内探検もさせてもらう。夏休みで静かな学校の中。工作の部屋では図画工作の先生が絵の制作中。うまいなあ〜とみな感心して取り囲み、これは何ですか?と質問攻め。図工の先生はそんな無粋な闖入者にも丁寧に応えてくれた。

帰り道は、疲れもあってかけだるさ漂う足取りだけど、これも夏らしく非日常体験。満足げな顔やもっと泳ぎたいという物足りない顔も。次は来年の夏。きみたちが一年生になったとき・・・・。
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2009/8/7

幼保小連携とは?  

 「幼稚園側として、提言をお願いします」。
無常に響く司会の声に緊張する・・・・。

教員の免許更新制度が今年度から本実施となり、幼稚園教諭も例外ではなく10年ごとの更新が義務付けられるようになった。最新の教育学的な知見と現場での必要性、そして学校ではなく幼稚園としての特殊性も加味した中身があるもの、ということで、実際の更新講習では地方ごとに工夫が重ねられているが、石川県では、その一項目に「幼少連携」を取り上げている。教育要領の改訂の柱の一つでもあり、異校種間連携は今日的な教育課題なので取り上げるのは結構なのだが、そのパネリストに、と言われるとちょっと待ってください、という感じ。木の花での実践がそのまま連携のモデルケースに捉えられるとエライ目に遭う。そんな想いで渋っていたけど、コーディネーターの方は以前初任者研修でお世話になった教育委員会の先生なので無下にも断れず、そのまま引き受けてしまい後悔している。 
苦手なんです、人前で喋るのは・・・・。


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2009/8/6

「地域」とは・・・?  

 ツリーハウスがひとまず完成し、それ目当てに園開放で遊びに来ている在園児、地域開放で遊びに来ている小学生、ご近所のさいび園のお友達とごちゃごちゃ入り乱れて庭での遊びは今日も花盛り。虫好きは虫取り網を片手にセミを追い、汚れ好きは泥だんごならぬ粘土団子造りに興じたり、水好きはミニプールで遊んだり、高いところ好きはツリーハウスに登ったり、ターザンロープにチャレンジしたり・・・・。

地域とのつながりを大事にしたい、と理屈で思っていてもなかなか実際は難しい。長町の武家屋敷に生まれてずっとこの地で保育をし続けてきた、ひとつの重要な基盤はこの地域にあるのはいうまでもない。どこの園でもそうだと思うし、以前は学校がその地域の中核のひとつだったと思うが、街のあり方と園とは密接不可分な関係にある。・・・・・とつくづく近年感じるのは、通園者が次第に近隣外から、いわば通園圏が拡大していることと無関係ではない。在園児が通ってくる範囲が、幼稚園の「地域」と言えるだろうが、子どもの歩いて来られる範囲、という概念で治まる範疇が今も昔もその居住域の狭い意味での「地域」では(広域としての「地域」に対して「ご近所」という概念で整理したほうがいいのかもしれないけど)。木の花も保育の際には「地域」に出かけること再三再四。散歩あり、買い物あり、施設利用あり、公共機関も使うし・・・しかし、「地域」へと出る、一方向的なつながりは十分なのだが、「地域」から木の花へという方向性に少しかけるきらいは否めない。そこで「地域」ともう少し融合できるものはできないか?という考えの元に、とりあえず夏休みに試みているのが今回の地域開放。端的にいえば「地域」の子どもたちもっと幼稚園を利用して遊ぼうぜ、ということなのだが。
神社や雑木林、空き地や裏道・・・・・「地域」から子どもたちの溜まる遊び場が減る中にあって、幼稚園はそういう場として実は最適なもののひとつではあるまいか。なかなか難しいのはご近所さん、近隣に子どもたちがほとんどおらん、ということけど。回覧板や児童館へのチラシ配布程度では宣伝効果は薄いものの、小学生もちらほら遊びに来ている。はじめたばかりの地域開放、試行錯誤は続く。
ただ一方で誤解もあって、地域開放には中央小、中村町小学校下以外の卒園生は来ちゃいけないのでは・・・という話も聞くけど、卒園生やその友達もいつでも、あるいは夏休みなら園開放の遊べる日はいつでも大丈夫。ここらへんが難しい「地域」の概念。

今日の遊びの最後はスイカ割り。差し入れのスイカを有り難く頂く。遊びに集う子どもたち、大人たち、クワガタにも分かち合って・・・。

「地域」の「教育センター」とはおこがましいが、子どもたちの遊び場としてよりより活用のあり方をこれからも模索していきたい。
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