1月8日
帰郷中の長男と水郡線(もうすぐ新型車両に切り替わる)と彗星を見に行く。行きに浅川の踏み切りで夕焼けをバックに水郡線。城山に上り、夕闇の水郡線を待ちつつ彗星を見つけようという算段。夕方の空に金星が目立ち始めた。金星より更に高度が低い位置にいるマックノート彗星はどうも見つからない。超低空なので、ちょうど雲中か? どうしても冬は(会津で雪が降っていると)中央分水嶺は雲がかかる、水郡線を撮って、ついでなので夜景と金星を撮り帰宅。
1月10日マイナス等級まで明るくなったの報に彗星が気になる。冬型で雲がち。南の方は晴れている。別に今日でなくてもいい塙方面の仕事を入れる(笑) 帰り際に宝坂林道に上り彗星を見ようっう魂胆。さっさと仕事を終わらせて、林道に急ぐ。しかし道はうろ憶え(爆) 通りすがりに小学生に声をかける。分からないよな。っうか俺、怪しいおじさんじゃないよ。あかるい彗星が来てるんだよと聞かれもしないのにしゃべってしまう(笑) ちょうど犬の散歩をしてる大人がいた。でも分からないらしい。その百メートル先が林道分岐だった・・・。林道を駆け上がる。夕陽に間に合うか。ダートは正月の大風で意外と荒れていた。5cm双眼鏡とカメラをセットし日没を待つ。欲を言え12.5cm双眼鏡を持ってきたかったな。しょうがないけど。雲がちでダメだろうと思っていたし。
前回北上して失敗したので今回は南へ来て正解。会津の方で雪が降っている影響で西の空は雲が多い。ちょうど彗星のいるあたりが境のようだ。夕空に金星が見え始めた16時50分頃、金星を目印に双眼鏡を振る。あった。え〜こんなにあかるい空で見えるのか!
マックノート彗星は前々日に見えなかったのが嘘みたいにあっさり見つかった。急激に明るくなったのだろうか? ほんの少し夕闇が迫る17時10分ごろ肉眼でも見え始めた。空が暗くなるが高度が低くなるので見え方にあまり変化はなかった。茜色の空にキラキラと輝く核と短いながら数度の尾。デジーマの200mmでは小さな彗星に写った。池谷・関彗星の再来かとささやかれたが、正月の空を彩ったコホーテク彗星を思い出した。
1月11日
今日は天文台にいく。大きな望遠鏡で見たかったし、500mm前後の望遠じゃないとどうも彗星の迫力にかけるからミニボーグ60EDとFC125+XW30mmならそれなりに写るだろう。ミニボーグではみ出るくらいの尾があったらいいなと思いつつ天文台の丘を登る
息が切れた....運動不足だな(爆)昨日より雪雲が怪しい空。それでもあっさり見つかる。主鏡で見ると尾の両縁が特に明るく、二つに分かれているように見える。青さが残る空にしっかり尾が見える。天文台の西から北にかけては高圧電線が走る。通常は観察に支障がないのだけれど、低空の彗星には見事にひっかかった。電線にかかるだろうとは思っていたけど、支柱に隠されるとは思わなかった・・・。この後あっというまに高度を下げ鈍く光る程度で像はグニャグニャだった。なるでもがき苦しむ生き物のよう。赤い目玉が光を徐々に失いながら山の端に吸い込まれていった。もしかしたら日没前の方が高度がある分よく見えるんじゃないかなと思うほどだった。
1月12日
昨日あまりの超低空にもしや日中の方が見やすいのでは? と昼間に見てみた。太陽からの離隔は約8度。昼間に見るなら12日がラストチャンスかな? と晴天を願ったが、朝から雪雲が飛来するあいにくの天気・・・午後になり青空が広がり始め、鹿角平天文台へ急ぐ。晴れ間のあるうちについてくれ! ドームを急いであける。青空だ! 望遠鏡を太陽に向ける座標初期化。導入座標よし! う!ドームが動かない。なんでだ、あれ、あれ・・・。ええぃ手で動かせばいいや。うう重い・・・(注。単にドームモーターのコンセントが抜けていただけでした) FC125+太陽フィルターで太陽を入れピントと座標をあわせてから、彗星の位置に望遠鏡を動かす。のぞく前に手を接眼部におくと雲がくっきりと映りやばくないかと思わず思う。雲が通り過ぎたあとのぞくと見えない。まだ薄雲があるのか・・・あった! あれこんなに見えるのか!? 尾らしきものまで見えるぞ! え〜っ! ほんとかよ! ちょっと信じられない。青空に輝く彗星の姿をあっさり見つかるなんて・・・。微かに尾も見え。ま、まさかこんなにくっきりと見えるとは思わなかった。うそみたい。実は「未知の星を求めて」(関・ラインズ彗星の近日点通過にまつわるエピソード「生きていた彗星」をゾクゾクして読んでたっす。一般書籍としては絶版)。で昼間に見える彗星か〜と密かにあこがれてた(笑) 読んでいた当時は、昼間の金星の導入も出来きなかったけど(爆) 日中の彗星を捕らえたのは、私も
鹿角平天文台でも初めて。おそらく県内の公開天文台でも初めてのことと思われる・・・っうかこんな酔狂なまねしないよな(笑) この偉業(笑) に立ち会った訪台者は0人。うぅ〜残念。一人喜びをかみしめ、あまりの嬉しさに、記念写真まで撮っちまった(爆)主鏡でも見る。さすがに反射式は斜鏡の陰がうっとうしいが、やっぱり見えてる(当たり前じゃん)。金星と比べるとさすがに見づらいが、金星より大きく、面積があるので全光度は金星より明るい・・・っうことは-5等くらいか? キラキラ光る核を、滲んだ(金星に比べると)少し黄ばんだ感じの光芒が取り巻く。微かに尾らしきものが伸びているように見えた。しかし惜しいなこのあと日本じゃ見えなくなるんだよな。もっともでなければ、昼間に見ようなんて気はおきなかっただろうけど(笑)
このあと夜空にどんな姿を見せてくれるんだろう。 明日13日はあまりに太陽に近すぎて危険だからだ・・・太陽との離隔6°かぁ・・・・。夕方は曇った。
1月14日
日中に彗星を見るなんて相変わらず信じられない(視野内に太陽が見えないから安全という訳ではなく、主鏡の筒内に太陽光が入らないようドームスリットで隠したり工夫してます)主鏡をのぞくと、一面の砂嵐?? 眼をはなして空を見上げる。ふわふわと雪雲。もう一度主鏡をのぞく。時々キラキラ。ああそうか、雪か! あんまり太陽に近いんで影が見えてるのか。雪雲の正体は雪か! 雪雲の向こうにマックノート彗星。彗星は汚れた雪だるまなんだよな。先日より、空の状態がいいのか明るくなったのか、Uの字の尾がはっきり見える。片側が特に明るい。そらし眼で見ると淡い尾が大空に浮き上がる。日中でも淡い天体をみる方法が有効だとは思わなかった。
ついでに金星をみる。McN彗星よりさすがに明るく見やすい。彗星の近くには水星があるので導入してみる。見えるけどたよりない淡い白。だけど意外とよく見えている。他の季節に昼間の水星を探したけれど、まったく見えなかった事もあるから、冬の乾いた大気が効いているのだろう。偶然とはいえこの季節に現れなければ、昼間の空に見えていたのだろうか?
このあとも日本から見えるなら、昼間に見ようなんて気はおきなかっただろう。そういえば今回撮影に使ったキャプリオも、たまたま8千円(Bランクで安かった)であったので思わず買ってしまったばかりのもの。まるでこの彗星に使えとばかりに(注。月や太陽以外の天体写真には向いないコンデジです。いつも使ってるコンデジの(笑) ミノルタ・デジーマ7はケラレなどがひどくて広視野は苦手)。めぐり合わせってやっぱ不思議だ。
天文台のPCのデーターを書き換えてたら3時。このまま帰るのもなんだし、近くで食料を買って日没の頃に戻ってくるか。青生野へ、小学校脇の雑貨屋でどんべい。お湯をもらって食べる。おばばがお茶を入れてくれた。お茶うけはたくあんやらイカニンジンみたいなもん。ありがとうございます。天文台にもどり夕陽に望遠鏡を向ける。念のため座標初期化。ビー! ビー! 座標地平線下です。え? みえてるじゃん。な、なんで! おいおい頼むよ。早くしないと太陽が沈むよ。あう初期化しなけりゃよかった。あたふた、あたふた。ここが太陽なんだよこのぼけ! PCを叩く。そんなもんで認識してくれる訳もない(爆) 数字をよく見ると、太陽位置は合っている。なんだこれでいいじゃん。なにあわててるんだ俺は。彗星を捕捉。太陽が高笹山の向こうに沈んでいった。ファインダーの太陽フィルターを外す。5センチファインダーでくっきりと彗星の姿が見える。とんでもなく明るいんだろうな。若干暗くなって、淡い尾が見えるかなと思ったけど、主鏡では昼間とそう変わりない。日中よりは若干尾が見やすくなった程度でブアツい大気の減光の影響の方が大きい。8cm双眼鏡もやっと出番。のぞいてあっ!とおどろく。茜色に染まった空に数度の尾。何色かの茜色の層を突き破るように伸びている。なんという光景だろう。主鏡でもう一度みる。ゆらゆらと揺れる頭部、双眼鏡のような尾はまったく見えない。なぜ? と思いつつもあわただしく写真を撮る。500/1だぁ!? とても彗星の写真とは思えない、なんちゅうシャッタースピード。そのせいか写真写りが悪い?(通常、光を蓄積できる写真は肉眼で見えない淡い天体を鮮やかに見せる)。この彗星は肉眼が一番だ。茜色の一番下の赤褐色の層に彗星が突入。大気にもがき苦しむ様にめらめらとうごめく彗星。尾がU字なのでアポロの大気圏突入に見えなくもない? ピントも合わなくなり断末魔のよう。やがて山の端に消えていった。沈んでから暗くなる分、尾が長く伸びてないか双眼鏡を向けたけど、茜色の空があるだけだった。
1月15日
所用で昼間の天文台に行けない。夕方の彗星は今日で終わり。春のような空で(日中の温度が高いためかな?)さすがに見えなかった。マックノートは歴代2位の明るさの大彗星だったとか。夕方時間がみて宝坂林道に夕陽を見に行く。夕陽が赤いようじゃ無理だろうなと思いつつもしかして画像処理をかけると現れるかなと撮ってみた。現れなかったけど。ネットで
McN彗星写真集を見たら、太陽と一緒に写ってる写真があった・・・・もうなにがなんだか!!
1月19日
昼間のMcN彗星を探すが見つからない。空の状態は悪くはない。主鏡(35cm)でも見えない。金星・水星は見える・・・ということは座標は間違っていない。マックノートも終わりか。(私にとっては)初めて昼間に見えた彗星だったな。しかし南半球がうらやましい。マックノートも終わりか。なんてかっこつけている間にも、彗星は驚異の姿を北半球の天文ファンにも用意しているのであった。
空に金星が輝く頃、町外れの林道を駆け上がる。コロラド州でここ2〜3日に尾だけ観測できたらしい。北緯は同じ37度、もしかしたら尾だけが見えるかもしれない。ダメだろうなこの空じゃ。冬型が緩みどことなく春めいた空。凍てつくような冬の星空を最近見ていないな。とりあえず金星の脇にワイドビノを向ける。光芒がある気がする。まさか・・・デジカメを向けてシャッターを切る。なんかある。400じゃオーバーすぎる。ISOを200に落としもう一枚。確かに光の柱がある。もう一枚・・・もう間違いない。マックノートのシッポだ!! 信じられない! うそだろう!? 誰もいない山の中で一人興奮状態。デジカメのモニター画像にこんなに興奮したのはたぶん初めてだ。はたからみたらかなり怪しいオヤジだったことだろう。見えてないにの写ってる!!
と興奮してるのだから(心霊写真じゃあるまいし) プレビュー画像を頼りに尾のある空域へ5cm双眼鏡を向ける。双眼鏡ではまったく見えない。肉眼では、なにかあるような気がするがはっきり見えない。ワイドビノを向けるが、やはり同じ。なんかあるんだが・・・かなり淡いんだろうな。くやしいな。カメラでは写るのに見えない。(尾の高度が高かった)薄暮の時には、飛行機雲や光害かなにかと思っていたのは尾だったのか・・・もっとしっかり見ておけばよかった。光を蓄積できるカメラを確実に尾を捉えている。金星の上まで何本もの尾があるのがモニターでわかる。注意してみるが肉眼では とうとう見えなかった。あるような気はするのだがはっきりしない。金星が金色だものな(金星は透明度のいい日の色は白銀です。低空にある影響でやや赤みを帯びた金色に見えています)。これが冴え渡る冬の空なら肉眼で確実に見えていたかもしれない。
帰ってから写真を
天文台ブログにUP。カウンターがうなぎのぼりでびっくり。他にUPしていたのは、阿武隈高地の北端の
ももさんのとこ。それと同じ阿武隈高地の東側・いわき市の
F&Sさんの捕えたダストテール ん? なんだ? 写真をUPしてるの阿武隈地域ばかりだぞ?? あきらめの悪い人が住・・・以下自粛(爆)
1月20日
青春18キップが1枚余っていて今日が期限。天気予報は曇り。まさか晴れないよなと会津若松に出かけた。場合によっては郡山の星仲間に便乗しよう。夕方になって突然晴れだす(涙) しかたなく見晴らしのいい鶴ケ城。さすがに都市部・・・光害で見えず。写らず。
1月25日ここ数日天気が悪くやっと晴れた。尾はもう写らなかった。ニュージーランドでは周極星となり一晩中見えているんだから(もう日本でその片鱗すら見えないのは)あたりまえか。夕焼けの茜色の空に堂々と輝き、白昼に見えたり、南天に去っても尾だけ見えたりと、いままでに経験のない現象が次々とおきた。記憶に残る大彗星だった。
ああ〜ぁ南半球がうらやましい。
