2018/7/13

4504:響工房  

 「響工房」は、住宅街の一角にあった。その建物の前にBMW523iを停めた。今日はとても暑い日で、着いたのは2時半頃であったが、まだまだ暑い盛りであった。

 私とAさんは車を降りて、建物の中に入った。「響工房」は、ヴィンテージオーディオ機器の修理をしている工房である。

 それほど広くはない作業スペースには、ウェスタンエレクトリックのアンプなど修理中と思われるヴィンテージオーディオ機器が所狭しと置かれていた。

 私はそれほど大きくない段ボール箱を持ち込んでいた。その中には私のMarantz Model7が入っていた。と言っても、私のModel7の具合が悪くなったわけではない。

 具合が悪くなっての修理ではなく、Model7のカップリングコンデンサーを交換してもらうために、Model7と交換するために用意したコンデンサーを預けに来たのであった。

 Model7のカップリングコンデンサーは、オリジナルでは「バンブルビー」と呼ばれるカラーコードが入ったものが使われている。

 このコンデンサーは1950年代においては標準的なもので、特別に性能の高いコンデンサーということではなかったようである。

 マランツはこのコンデンサーを使うことを前提として全体を設計して音決めしているので、これを使うことが本来のModel7の性能を発揮させる上では重要な要素と思われるが、とても古いコンデンサーであるので、その大半が容量抜けしていて、交換が必要の場合が多い。

 Model7を愛用しているマニアには、あくまでオリジナルのバンブルビーにこだわる人もいるし、「160Pブラックビューティー」と呼ばれるもう少し新しい時代のコンデンサーに替えることを選択する人もいる。

 さらに全く別なコンデンサーを選択する人もいる。当然のことであるが、どれを選択すかによって音が変わる。

 現状では私のModel7にはオリジナルのバンブルビーが装着されている。致命的な容量抜けはないようであるが、その本来の性能が100%発揮されているのかどうかは不明である。

 そのオリジナルのバンブルビーでの音の質感はバランスの良い穏やかなものである。SNもこれだけ古いヴィンテージ製品としては、良好な方であろう。

 そのオリジナルのバンブルビーをウェスタンエレクトリック製のコンデンサーに交換してみることになったのである。

 そのコンデンサーはAさんが様々な入手ルートで集めたものである。AさんのModel7は既にウェスタンエレクトリック製のコンデンサーに交換済みであり、ストックとして所有されていたコンデンサーを一式分けていただいたのである。

 響工房の井村さんは、私のModel7を早速チェックした。上蓋と底面のふたを開けて中を確認した。「とても綺麗なセブンですね・・・このバンブルビーの場合、今まで見てきたものの大半は容量抜けしていました。この裏面の四つの小さなコンデンサーが結構重重要なんです・・・」そう話されながら、計測器を使って簡単な計測を済ませた。

 その後は出されたアイスコーヒーを飲みながら、ヴィンテージオーディオ機器についての話をした。

 どうやら、Aさんと井村さんは意気投合したようで、話が弾んだ。ヴィンテージオーディオ機器に専門的にかかわっている方の中には、こだわりが強い人が多く、結構エキセントリックな方に出会う。できればもっと穏やかで面倒でない人がいないかと、私もAさんも日頃思っていたのであるが、井村さんはとても穏やかな方であった。 



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