通訳だっていうのに
関西弁を操るへんな人だった。
日本語は留学していたので堪能と言っていいくらい上手かった。
中国の人らしく実直で、冗談が通じないんじゃないかと思ったけど
案外頭のやわらかい人で
私達はその存在にほっとさせられた。
旅行、でもなく
仕事、でもなく
使命のようなものを抱えた私達は
緊張感に包まれていた。
でも、彼の繰り出すジョークに自然と笑みがこぼれたんだ。
ジョークが面白かったわけじゃない。
オチを先に言ってしまう彼が面白かったんだ。
歌が好きな人だった。
カラオケも歌ったけど、
カラオケがなくても歌ってた。
上手いわけじゃないけど、心があった。
「くちなしの花」が彼の十八番だ。
帰国する日の朝、
ホテルの食堂で一緒の卓を囲んだ。
隣同士になったから思い切って聞いてみた。
「歳は幾つなんですか?」
「えー、歳は……。生まれたのが、昭和、んー……」
どこの国の人なんだ。
結局彼は私より少しだけ年下だったんだけど。
彼に聞かれた。
「あなたは一体幾つなんですか?」
「んー。未年生まれなんです……。」
私は物事を難しくするのが大好きだ。
帰国してから、
彼がバツ1で自分で障害を持つ子供を育ててることを知った。
「くちなしの花」
きっと奥さんだった人のことを想う歌なのだろう。
優しい優しい人だと思った。
「相性のよさそうな木に両方の手をかざしたら気を感じます」 (振戸りく)
◎ 気功ができる人でした。 ◎