どっちも「影 or 陰」という意味で使えそうなのだが、最近「人工衛星が地球の影の中を通った」という英文を書く必要があったので、少し真面目に調べてみた。Fowler's Modern English Usage, OXFORD によれば
... One primary distinction is that shade is a place or area sheltered from the sun, whereas shadow is a dark figure projected by a body intercepting rays of light, especially from the sun. ... There are any number of other unmatching uses.
簡単に言えば、shade は影になっている場所、物の一部、shadow は影自体ということだろうか。しかし最後の一文が言うように、上記のような区別に合致しないような使い方がいくらでもあるそうな。うーん、なんとも微妙。
人工衛星が飛んでるのは宇宙空間では(影があたる)物が何もないので、”影自体の中”を通ったという意味で the spacecraft passed through the Earth's shadow" とすべきのような気もするし、光が当たっている他の空間と区別して”影になっている空間”と思えば"... through the Earth's shade" のような気がしないでもないし。Earth's shadeって書いて雨人に英語を見てもらったら、みんなshadow に直されて戻ってきた。やっぱshadow なのかのう。
影,陰とshade,shadow の関係も、以前に例としてあげたことがある、英語の単語と日本語の単語の守備範囲が違うことがある実例の1つ。この4つの言葉は微妙に守備範囲が被っている。日本語の影、陰はどちらもネガティブな意味で使える (e.g., 影が薄い、陰で悪口を言う)が、英語のshade にはそれほどネガティブなイメージはない。影のように付きまとうとか影の内閣と言うときは大体shadowで、follow someone like a shadow, shadow cabinet , "陰"の司令塔は shadow control tower。でも影のある人という時はshadowy person でも shady person でもいいらしい。日本語の”木陰で”は in the shade of trees のようにshade を使うことが多い (しかしunder the shadow of treesを全く使わないわけでもないw)。ちなみに in the shadow of 〜 だと、〜の運命を負って、〜の陰に隠れて、〜の危険にさらされて、などネガティブな意味もある。in the shade of 〜にはそのような使い方はない。
とにかくshade, shadowについてだけまとめると
− 基本はshadowは影自体、shade は影があたっている場所。しかし例外用法もあり。
− shadeは割と中性的な感じ。shadow はネガティブなニュアンスをもって使われることがある。