調子が悪いDDRパネル/センサーの修理・整備の仕方について
この記事を読んでいるということは、不要なmissやらフリーズ切れ、はたまた反応しないパネルを持つDDR筐体があり、そしてあなたはその筐体のセンサーの調整等をしたいと考えていると思う。以下の情報がその時実際の作業の助けになるはず。
作業に必要なもの
1、先端が十分に厚いプラスドライバー。 先端が尖ったものではなく、プラスの中心が十分平たいもの − 強いて言えば普通のプラスドライバーの先端の突き出た部分をちょん切ったような形状― がよい。普通のプラスドライバーでも何とかなるかもしれないが、先端が十分厚くないとだめ。
2、普通のプラスドライバー
3、業務用の掃除機(吸い取るタイプのやつ)
まず修理作業の前にやることは、全てのセンサーを調べて、それぞれのセンサーの反応の強さ/弱さを見きわめるのと、センサーのスイッチon/offのこう着具合を調べることだ。
一つの矢印(パネル)には4つのセンサーがある。それらはパネルの四辺(角ではない)にそって埋め込まれている。センサーの反応チェックは下のような方法で行う。まず普通にコインを入れてゲームをスタートさせ、足のかかとの先でパネルのそれぞれの端(四辺)に乗せ、その時つま先を浮かして、かかとだけがセンサーの上に乗るようにする。その状態で軽く体重をかける。これでパネルが点灯すれば、そのセンサーはかなり良い状態ということになる。もし点灯しない場合は、さらに強く踏み込む。ランプが点灯するまで荷重を増やしていくが、パネルの他の部分を踏まないように注意。これを全パネルの全センサーについて行って、どれが強く踏みこまないと反応しないか、またそもそも全くランプがつかないかをメモする。(曲選択画面に移るまでに、全部のセンサーをチェックする十分な時間があるはず)
次にやるべきはセンサーのスイッチon/offのこう着具合(以下stickiness)のテスト。このテストをやるには、まずセンサーの反応のチェックと同様にかかとでセンサーの上を踏むが、今度は全体重をかけてセンサーの上に乗って、そのまま2秒静止。その状態からジャンプする要領でさらに荷重をかけてからすばやくパネルから足を離す。この時パネルのランプが即座に消えるはずである。もしこれが10分の1秒単位か、それより長くランプ消えのタイミングが遅れるようだと、このセンサーは“こう着しやすい”といわざるを得ない。これはパネルへの荷重をやめても、そこからセンサーの反応がoffになるまで余計な時間がかかるということを意味する。これによってプレー中にどんなトラブルが発生するか? 例えば8分の縦連打(同じ矢印を8分のリズムで踏み続けるようなステップ)の時に、perfect – miss-perfect-miss-perfect、、、のようなことが起こる可能性があるわけだ。
更新追加> ゲーセンのオーナーさんや店員さんが信じていることに反して、このセンサーのstickinessのチェックは筐体のI/O テストモード上ではできない。なぜならばI/Oテストモードは1〜2回/秒くらいしか入力信号を取らないからで、このstickinessのテストのような10分の1秒レベルの反応を確かめる用途には向いていない。
Side Note> 画面が変わる時(難易度選択画面に移る時など)は、本体がパネルからの信号の入力状態を一時的にフリーズさせるので、パネルのランプが1〜2秒くらい点灯しっぱなしになることがある。これは本体側の仕様なので、この時にパネルのランプが点灯しっぱなしになったとしても、それ必ずしもセンサーの状態が悪いということにはならない。
上記のチェックを一通り行い、
それぞれのセンサーについて、状態が良い/反応すこし弱い/かなり反応弱/無反応/こう着しやすい等の問題がはっきりしたところで、これから具体的な修理・調整作業を行う。
以下がそれぞれの状態に対する対処の仕方である。
1、反応良好: もちろん何もする必要なし。
2、少し反応が弱い場合: 気にしなくてもよい。問題ない。
更新追加> ↑と原文には書いてあるが、この状態で大会等を行うのはまずい。これは遅GREATや遅goodの温床になることがある。また反応自体はしても、フリーズが切れ易くなっていることもある。
3、反応が非常に弱い場合: これは大会の時のみ問題となる。軽く踏んでミスが出たり、フリーズが切れたりするのは困るだろう。
更新追加> ↑と原文に書いてあるが、この状態では大会はおろか、普通にスコアラーがPAベースで踏む場合にも問題になる。鬼コースプレーも然り。
4、センサーが無反応: 自分は完全に無反応のセンサーは一度も見たことがない。踏んでもパネルのランプが点灯しない時は、大体の場合、センサーとパネル板の間にはさまっている白い金属製の金具が脱落していて、それを元の位置に付け直すだけで問題が解決する。パネルを開けた時に、正常に反応しているセンサーのところを見れば、その白い金具が本来どのように装着されているべきか、わかるはず。
注意: この白い金具は少し緩めになっているのが正常の状態である。手で動かした時に上下左右に少しスライドするはず。
5、センサーがこう着しやすい場合: これが一番よくないケースである。センサー周りの埃を取り除いても直らない場合、センサーをそっくり新品のものと交換するのが唯一の解決法である。
更新追加> 新品のセンサーはゴムの部分がまだ固いため、そのままだと、強く/深く踏み込まないと反応しない → フリーズが切れ易い、ということがある。大会の準備等でセンサーを交換する場合、なるべくなら大会より一週間くらい前に交換し、それまで十分に踏み慣らしておくとよい。
パネルのメンテをする際には、パネルの四隅にあるねじを外し(ここで厚めのプラスドライバーが必要)、パネル板(矢印がプリントされているアクリル板)を取ったら、まず中を綺麗に掃除すること。パネルの不具合の90%は、大量の埃やチリがセンサーの周囲に詰まっていることに起因する。ゲーセンのオーナーや店員さんがDDRに対して特別な思い入れを持っていない限り、恐らく彼らがパネルを開けて中身を掃除することはほとんどない(やってみるとわかるが非常に面倒な作業)。なのでパネルのメンテをするときは、ドライバー(固まった埃を書き出すため)と掃除機、場合によってはウェットティッシュを用意し、センサー周りの埃を完全に取り除いておいた方がよい。
センサー周りの掃除と金具のつけ直しが終わったら、
次に反応の弱いセンサーの感度を改善するための作業を行う。もちろん新品のセンサーのストックがあり、反応が弱いセンサーと交換できるならばそれが一番いい。もしセンサーの反応が少し弱いにも関わらず、替えのセンサーがない場合、以下の方法でセンサーの反応を多少改善することができる。
1、厚紙でできた名刺を一枚用意する。
2、それを長辺どうしを合わせるように縦折りする。
3、もう一回縦折りする。
4、4つ折りした名刺をセンサーの下に挿入する。うまく挿入できない場合は一旦センサーを抜いてから名刺を下に置き、その上かセンサーを乗せるようにする。
要はセンサーを下から底上げするわけで、名刺以外にも、細長くセンサーの底面くらいの形に切ったダンボールでもよい。
また上述の白い金具のうち、パネル板と接触する部分には、普通ゴム製のスポンジがついている。しかし長年のパネル使用により磨耗してしまっていることがある。このスポンジがないとパネル板と金具の間に隙間が空く → 深く踏み込まないと反応しない、金属とパネルが直接当たるのでパネルを踏んだ時ガチャガチャしてうるさい、などの不具合が起こる。このスポンジがあまりに磨耗している場合、これも新しいものと交換した方がよい。もしスポンジのストックがない場合、上記でセンサー下に挿入したダンボールと同様のものを作って、金具の上部にはっておくという手もある。
さて、全ての反応の弱いセンサーについて上記のような調整を行ってもなお反応が弱かったり、スイッチのこう着が起こる場合、
残された方法として、状態が悪いセンサーをなるべく使われない場所に移すことが考えられる。それは、中央の立ち位置からみて、それぞれのセンサーの外側の一辺である(例えば←パネルの左センサー、↑パネルの上側のセンサーなど)。
注意: もし交換等の作業でセンサーから伸びる導線の取り回しが乱れていたら、必ずセンサー元から底の基盤接続部に続く溝に導線をはわせるようにして収めておくこと。もし上から来るパネルとの間にはさまれるような所を通すと、プレーのたびに導線を踏み潰して最悪導線を引き裂いて断線の原因になる。
注意: センサーを絶対折り曲げるな! センサーの出し入れ、取り扱いには十分注意すること。DDRのセンサーは基本的には水銀等を利用した圧力センサーであり、センサー自体をあまり強く曲げ過ぎると内部の電極がねじれてくっついた状態になってしまい、永久に反応しっぱなしになってセンサーとして役に立たなくなってしまう。コナミから正規のルートで仕入れるセンサーは一つ80ドル(9千円くらい)もするので、本当に気をつけて取り扱うこと。
これまでの作業で、センサー周りの掃除、名刺 or ダンボールの挿入で弱センサーの感度アップ、さらに使えないセンサーを排除/別の場所に移動させたと思う。以上でやれることは全てやったということになる。
もしこれでもまだこう着傾向のセンサーが残る場合は、ゲーセンの店員さんに頼んで、ほかのあまり使われていないDDR筐体やPump It Up のセンサーと交換してもらうという手もある。DDRとPump It Upのセンサーは互換性があり、センサーのゴムの形状が微妙に違うため所定の位置に埋め込む時少しキツイなどの問題があるが、大体そのまま使えてしまう(ただし日本では筐体数減少や、Pump It Upが流通していないためあまり現実的ではない)。もしその手が使えないということならば、やはり新しいセンサーを購入してもらう以外に方法はない。もしゲーセン側からセンサーが高価ゆえ購入できない等の説明があった場合は、ChannelBeat.com 等のネット上の筐体/パーツ販売サイトを教えるとよい。ここならDDRのセンサーは一つ10ドルくらい(千円ちょっと)で買える。(しかしこれも日本から購入する場合は法的な問題があるかもしれない)
センサー修理がうまくいくことを祈る。
GPF