昨晩と今晩の2夜連続で松本清張の超名作「点と線」が,ビートたけし主演でドラマ化された番組が放映されました。私が大学を出た時期くらいにはまっていたのが松本清張だったのですが,この「点と線」は時刻表トリックの最先端を行く推理小説として,そして政治の世界のどろどろとした裏側をえぐる作品としての両方を鋭く描いた作品で,夜布団の中で読み出してしまうと,続けて読んでしまうまで時間を途中で切ってしまうことができないほどの切迫感で迫ってくる小説でした。
今回のビートたけしの主演は,宣伝のときには,「それで大丈夫か?」と思ってしまいましたが,さすがに「たけし」だけあって,小説を読んだときの切迫感がそのまま反映された場面の連続となっていて,いつものドラマなら,仕事をしながら片手間に見るともなく聞くともなくバックグラウンドで頭の中をよぎっているのですが,今回は2日間にわたって超満足でき,目がはなせないドラマに仕上がっていました。脚本がよかったこともあるでしょうが,この主役は,ビートたけしでなければ演じられなかったと思わせるものでした。普通はこういった時間を切ったドラマには物足りなさを感じるものですが,今回については終わった後の充実感があり,松本清張がもし生きていたら絶賛したに違いない作品に仕上がっているように思いました。
それとともに,結局,政治というのはいつの時代になっても進化しないものだ,政治家や官僚というのは悪人でないと務まらない職業なのだ,そういう人間の寄り集まりなのだということを如実に物語っている,古くて新しいテーマのようなものを表出していて,人間の根源に関わる悪そのものは,時代が過ぎても色あせることがないことを物語っているような気がしました。
それにしても,ビートたけし,同列で比較の対象となりそうな「さんま」や「しんすけ」とは比べ物にならないほど大物であることがよくわかる作品でもありました。人間としての重さがまったく比べ物になりません。頭のよさも伝わってくる作品でした。
超満足できました。最近には珍しい充実感です。

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