昨日はセイブ・ザ・チルドレン・ジャパンの人たちによる、メディア・リテラシーのワークショップ
うちの団体からは中学生が2人参加
他の参加者と一緒に班を組むはずだから、2人でもなんとかなるかな…と思って参加したのだが
彼等以外は、全員高校生で
「やはり、年齢が開くと、価値観や経験値が違うので、2人の班にしました。」と主催者の説明
ワークショップの内容はというと
「自分たちにできること」というテーマで、カナダの子どもたちが作った1分間のCMフィルムを見て、その映像を分析し
次に、自分たちのできることを考えて
そのことを通じて、世界や社会を変えることはできないか・・・ということを考えて
最後には、各班でカメラを使って、1分間のCMを作成する…というもの
え〜〜〜
大丈夫かいな・・・
何しろ、今回の参加者は
ついこの前まで、反抗期真っ盛りだった中学2年生のR太と、何をやらせても、本人にはやる気はあるのだけど、周囲から見たら、やる気というものがまったく見えなくて、なかなか理解してもらうのが難しい中学1年生のHくん
もっとも、R太はこういうシチュエーションだと、やたら張り切ってくれるので大丈夫だと思うけど
問題はH君
何か意見を求められても、はっきり自分の考えを伝えるのがとにかく苦手
R太の発言を待って、「僕もそう思う・・・」の繰り返し
それでも、すったもんだの末に、最終的に決まったテーマは「人と話すと楽しくなる」
う〜〜ん、コミュニケーションの大切さを伝えたいんだよね
各班に一人ずつついてくれたファシリテータのスタッフの女性は、ひたすらHくんの声を引き出そうとゆっくり、ゆっくり待ち続けてくれる
彼女なら大丈夫かも…とは思ったが
結局、ほとんどR太一人でしゃべって決めてしまったこのテーマ
「これって、実はHくんが一番苦手なことかもしれないね。」と私が声をかけると
うん・・・と小さくうなずくHくん
午後から、台本や絵コンテを作って、実際に撮影に入るって言われても
カメラをR太が回すとしたら
出演者はHくん一人???
それじゃぁ、どうにもならないだろう・・・
「どうする?まずは、暇そうな人を見つけて、出演交渉するところから始めなくちゃならないよ。」とR太に言うと
「そうっすよねぇ・・・」と困り顔
台本と絵コンテ作成の時には、私は側にいないほうが絶対にいいな…と思ったので
会場付近をうろうろしたり、最後は隅のほうで椅子に座ってお昼寝
約1時間、そろそろできたかな
なにやら、絵コンテらしきものができてる
でも、明らかに出演者は4〜5人必要だよ
さぁ、どうする?他の班の高校生たちは、それぞれ自分たちの作品の撮影に必死で、とても頼める状況じゃない
ふと見ると、今回のワークショップを見学に来ていた若い女性が二人
もう、こうなったら、彼女たちに頼むしかない!
さぁ、勇気を出して頼んでごらん!と背中を押して話しかけさせる私
きっと、彼女たちも、たった二人の中学生のことが心配だったのだろう、快く承諾してくださって
ファシリテータの女性を含めて3人プラスHくんが出演者
いよいよ撮影開始
R太監督の演技指導のもと、撮影は進む
私はとにかく、彼らの視界になるべく入らないように、雑誌を読んだり、会場である、通信制の高校の先生たちと談笑したり
約1時間かけて、ようやく撮影終了
各班の作品を互いに見ながら、感想を述べ合う
「どこの班が1番に見て欲しいですか?」というリーダーの問いかけに
「他はみんな高校生だから、比べられるのは嫌だから、1番がいい!」と手を上げるR太
たった1分間のその作品は
楽しげに談笑する女性3人の中で、一人、話しに参加できなくてずっともじもじしているHくんの様子を
さまざまなシチュエーションで映し出す
そして、最後に
意を決したように、Hくんが「よし、言ってみよう。」とつぶやいて、彼女たちに話しかけて、
今度は4人で楽しそうに話し始める
最後のカットは、Hくんの「人と話すって楽しいな・・」という独り言で終わる
本当に、本当に単純なストーリーなんだけど、私は思わず涙が出そうになった
他に誰もいない、自分が頑張るしかない…と覚悟を決めたHくん
そのHくんを信じて、一生懸命カメラを回したR太
午前10時から午後6時近くまで
こんなに一日中頭を使って、イメージするっていう経験は初めてだよね
帰りの電車の中
椅子に座るなり「疲れたね。」と声をかけるまもなく、爆睡してしまった二人
でも、すご〜〜く楽しかったね
二人の結論
「今度は、自分たちの団体でもっとたくさんの仲間と一緒にこのワークショップをやりたい!」
決まったね、今年の君たちのテーマ
さぁ・・今度は、君たちが仲間一人一人に話しかけて、その夢を実現しようね。
イメージすること
それは、きっと人間に与えられた最高の宝物なんだと思う
そして、その力は、様々な経験を積むことで育まれる
私たちは活動の目的の一つに
「子どもたちに、遊びや、鑑賞などを通じて、その年齢に応じた、様々な経験を提供し、豊かな想像力・創造力を培う」と掲げている
その思いはやっぱり間違っていなかったんだ!と
改めて、二人に教えられた1日だった。

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